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すいかのたね
おなじみ「ばばばあちゃん」のおはなし絵本です。
ある日、ばばばあちゃんは、
「おいしい すいかが なるように」と、庭にあなを掘って、すいかの種をだいじに埋めました。
それを木の上から見ていた子猫が、何をかくしたんだろうと掘ってみたら、
「なあんだ、つまらない くろい たねだ」と、がっかりして、また土に埋めました。それを見ていた、子犬、次にうさぎ、次にきつねが、黒い種をほじっては、つまらんだの、くだらんだの文句をいっては土に埋めもどします。
きつねが行ったあと、うちの中から見ていた、ばばばあちゃんまで、
「・・・なにを うめたのかな、みてやろうっと」と、掘ってから、自分がうめたすいかの種だと思い出しました。みんなからさんざん言われてきた、すいかの種は怒って、
「いいかげんにしろ。・・・もう おいら めをだすのは やめだ やめだ!!」
というと、ばばばあちゃんに、
「・・・おまえさんが いつまでも ぐずぐずしてるから こういうことになるのさ!」
と、どなられてしまいます。すると、すいかの種は、
「ああー。もう あったまにきた!!」といって、プスンとはじけ、それからはぐんぐん ぐんぐん大きくなってつるをのばし、庭やら森やら家の中までひろがっていきます。たちまち黄色い花が咲いて、ドデーンとでっかい、すいかがあっちにもこっちにもできました。大きなすいかをテーブルにのせて、ばばばあちゃんが、ほうちょうで切ったとたん、すいかのどなり声が!!
絵本の見開きいっぱいに描かれた、あちこちに伸びたすいかのつるや葉と、ごろごろとできた大きなすいかの絵に、子どもたちは目をみはります。おはなしの流れもテンポよく、会話のやりとりも豪快でポンポンと調子よく楽しめます。
「あんな小さな黒い種から、ほんとにこんな大きなすいかができるの?」って思っている子どもたちを、広~いすいか畑へ連れて行ってあげたいですね。
文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 副代表 島田洋子さん