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きょうはハロウィン
ケンちゃんはちょうどハロウィンの前に新しい街に引っ越しをしてきました。お隣りの男の子・ピートに、「かぼちゃのちょうちんに火をともして置いておけば、おばけたちはこわがって近づかない」と教えてもらい、早速お母さんと一緒にかぼちゃのちょうちんを作り、玄関に飾りました。
日本では「仮装を楽しむ日」として、イベント化されてしまった気もしますが、この絵本には後ろの見返しに「ハロウィンの由来」も載っていて、ハロウィンがどんな行事なのか知ることができます。
ハロウィンは古代ケルト人のサムハイン祭を起源としていて、秋の収穫を祝う収穫祭でした。でも夜になると異界との間の扉が開き、魔女や悪霊などの悪しきものが現れ、死者の魂も集まってくるといわれています。それらに対し人々は、火が魔よけの意味を持つと信じていたようです。
夜になるとケンちゃんの家にも、おばけの仮装をした子どもたちがやってきました。ケンちゃんも一緒にお菓子をもらいに家々を回ることになりますが、初めてのハロウィンで「トリック・オア・トリート」となかなか大きな声が出せません。子どもにとって、異年齢の集団の中に入っていくことは初めは勇気がいるものですね。
そういえば、私の住んでいる地域にも似たような行事があります。中秋の名月の晩、子どもたちが集まって地域のお宅を回り、お菓子をもらって歩くのです。いわゆる「お月見どろぼう」です。縁側に、ススキとお団子・ふかした里芋・さつまいもなどを飾っているお宅を回るのです。昼間とは違った雰囲気の夜道を歩くのは、子どもたちにとってはちょっとした冒険になります。
ハロウィンに参加したケンちゃんは、お隣りのピートと翌日遊ぶ約束ができました。ハロウィンもお月見も、季節の行事を通して地域の人たちとの交流を深めることに一役買っているようです。
文/浜松市立中央図書館 鈴木紀予