浜松の子育て支援レポート

産前・産後のヘルプ!に応える「はますくヘルパー」

2018年5月2日

そこが知りたい!はますくヘルパー

妊娠・出産を経て待望の赤ちゃんが生まれ、目まぐるしい生活の変化が訪れる一方、実家が遠方にある・パパが単身赴任中などの理由から、産前や産後に家族のサポートを十分に受けられないママもいます。そうした家庭のために2016年10月からスタートした「はますくヘルパー利用事業」。ヘルパーに支援してもらう費用に公的補助が受けられる制度ですが、比較的新しい制度のためか、まだ広くは知られていないようです。
そこで今回は「はますくヘルパー」の利用法や、具体的な利用例などについて取材しました。

そこが知りたい!はますくヘルパー

「はますくヘルパー利用事業」は、産前・産後の心身ともに負担が大きい時期に、市が一定金額を補助することで、ヘルパーのサービスを利用しやすくし保護者の負担を軽減するための事業です。では、具体的に誰を対象としたどんな事業なのでしょうか?担当課である浜松市子育て支援課に聞きました。

利用できるのはどんな人ですか?
浜松市在住で母子健康手帳が交付された、産前から赤ちゃんが生後1歳になるまでの保護者が対象です。
ヘルパーさんにはどんなことを支援してもらえるの?
支援内容は主に「家事支援」、「育児支援」、「相談支援」の3つに分かれています。原則的に利用者と赤ちゃんを、利用者の家の中でのみ支援します。できることには限りがあり、例えば留守番や託児はできません。
  • 家事支援‥‥食事の準備や片付け、掃除、洗濯、買い物など、日常的な家事をします。
  • 育児支援‥‥赤ちゃんのオムツ替えや沐浴の介助をしたり、赤ちゃんにお兄ちゃん、お姉ちゃんがいる場合にはその遊び相手になったりします。
  • 相談支援・・・・子育てなどの悩みについて、ヘルパーさんがじっくりと話を聞き、アドバイスします。
費用はどのくらいかかりますか?
利用する事業者によって金額に差はありますが、1時間あたりおよそ2000円が目安です。そのうち1時間あたり1000円(市民税非納税者 及び 生活保護受給者は、1,300円)が公費で補助されます。別途、交通費が必要です。
「はますくヘルパー」を利用するにはどうすればいいですか?
まず各区役所の健康づくり課で、利用の1ヶ月前までに申請をします。当日ヘルパーにしてほしい支援内容と利用時間(1日あたり4時間まで)、希望する事業者の候補を決めて申請をします。  申請時には、希望する支援内容をあらかじめ大まかに決めて提出します。例えば家事のみを頼みたいならば「家事支援のみ」、家事のほかに赤ちゃんの世話もしてもらう可能性がある場合は「家事支援、育児支援両方」など、必要に応じて申請書に記入します。
利用するのに上限はありますか?
7:00~19:00の間で1日2回、最大で4時間まで、通算で50時間までの利用が可能です(多胎、未熟児養育医療対象の赤ちゃんを養育している場合は通算100時間まで)。

はますくヘルパーを利用したいときは?

利用方法や事業者について、詳しくは、はますくヘルパー利用事業のページご覧ください。申請手続き、必要書類などもダウンロードできます。
はますくヘルパー利用事業(産前・産後ヘルパー)

実際に利用しているところを取材しました!

すでにこの事業を利用している方たちは、どのように支援してもらっているのでしょうか。様子を見せてもらいました。

はますくヘルパー利用の様子1

この日「はますくヘルパー」を利用するのは大城真知子さん、長男のはるとくん親子。大城さんは、はるとくんがハイハイをし始めた頃から「はますくヘルパー」を何度も利用しているそうです。ヘルパーは、はますくヘルパー事業に参加している事業所のうちのひとつ「アイケア保育部」の馬渕さん。保育士として幼稚園の先生をしていたこともある、ベテランのヘルパーさんです。いつも同じヘルパーさんが来てくれるので、安心してお願いできるそうです。

 

はますくヘルパー利用の様子2

まず始めに、ママから馬渕さんにお願いしたいことを説明します。この日はアイロンがけや床の掃除、お味噌汁の調理、はるとくんのお世話もお願いします。
内容を確認した馬渕さんは、テキパキと家事をこなしていきます。ひととおりの家事が終わると、ママとはるとくんのお世話を交代します。

はますくヘルパー利用の様子3

馬渕さんがはるとくんと遊んでくれている間に、ママはシーツを洗うなどの子育てしながらではなかなかできない家事をするそうです。
そして少し休憩がてら、馬渕さんとママのおしゃべりタイムを持ちます。子育て中の様々な悩みにも的確にアドバイスをしてくれて、とても助かり、リフレッシュできるのだとか。

はますくヘルパーの様子4

こうして2時間のヘルパー利用は終了。はるとくんがぐずることもほぼなく、終始和やかな雰囲気であっという間の2時間でした。

当事者・支援者の声と、それぞれの思い

1.利用したママ&パパ
「ヘルパーさんと接することでゆとりが持て、リフレッシュできるのがうれしいです」

利用者息子がハイハイをし始めた頃から、家事がなかなか思うように進まなくなっていました。息子がいてはできないアイロンがけはパパが休日にするなど、余裕の無い日々が続きました。しかし自分の実家は近隣ではなく、主人の母も高齢で赤ちゃんのお世話は難しいし、助けてもらえず悩んでいたところ、子育て支援ひろばで「はますくヘルパー」のことを教えてもらい、パパと相談して利用することにしました。家事をお手伝いしてもらえることも大切ですが、子育てについてのちょっとした話でも共感してもらえるのがとてもうれしいです。経験豊富なヘルパーさんからアドバイスしてもらえることで自信がつきます。パパも「ママも自分も子育てや家事にゆとりを持ててリフレッシュでき、子どももママ以外の人と関わる良い機会になり、助かっています」と言っています。
(大城真知子さん談)

2.ヘルパー
「産前・産後のママには、頼れる人のサポートが必要です」

ヘルパー子育て悩みは人それぞれですが、ヘルパーを利用する方に共通していることが1つあります。それは、日々の家事や育児でママには休む時間がないことに家族が気づいていないことです。産前・産後のママはホルモンバランスが著しく変化し、負担が大きければ産後うつにもつながります。「はますくヘルパー」は産前や産後すぐでもお手伝いができます。また、産院でも沐浴や授乳について基本的なやり方を教わりますが、ヘルパーならではの方法をアドバイスすることもできます。産後うつなどの病気になってからでは遅いので、少しでも「困った」を感じたら「はますくヘルパー」を利用してみてほしいです。
(アイケア保育部  馬渕ゆかりさん談)

3.浜松市の担当者
「ママ&パパの自立のお手伝いを目的とした事業です」

子育て支援課産前・産後に目まぐるしく生活が変化する中、ヘルパーを利用することで心身ともに余裕を持って子育てに望んでほしい、そして安心して子育てをしてほしいとの思いからこの事業は始まりました。

「はますくヘルパー」を利用したママからは「実家が遠く周りの助けが求めづらい環境で、2人目の子どもを持つのは大変だから無理だと思っていましたが、はますくヘルパーを利用しているうちに大丈夫かも、と思えてきました」という嬉しい声も聞かれます。
また、産前のつわりがひどいときに「はますくヘルパー」を利用して産後にも継続しているママや、引っ越したばかりで荷物の整理をする間子どもを見ていてもらったママ、かかりつけ医や検診についての相談をしたママなど、いろいろなケースがあります。

はますくヘルパーはあくまでも利用する方の負担を軽減するとともに、「自立へのお手伝い」をするものです。“ヘルパー=お手伝いさん”ではなく、ヘルパーがママやパパに寄り添うことで、自信をもって子育てできるような、よりよい事業になるようにこれからも対応していきたいです。
(浜松市役所 子育て支援課・西智子さん談)

取材を終えて

~助けを求めづらいママこそ、「はますくヘルパー」を頼ってほしい~

今回初めて、ヘルパーさんとその仕事ぶりを取材しましたが、利用者とヘルパーさんの信頼関係の強さに心を動かされました。それとともに、産前・産後の時期、身近に頼れる親族がいないということは大きな負担であると改めて気づきました。赤ちゃんとの暮らしはうれしい反面、様々なハプニングとの戦いでもあります。そのため、ささいなことでも相談できる、アドバイスをくれる身近な人がやはり必要です。私は幸運なことに、実家も義実家も浜松市内にあり、子育てするのによい環境であったと思っています。しかし今回の取材を通して、内面的に頼れる人が近くにいない方は思っているよりも多数いるのではないかと感じました。そのような方のために「はますくヘルパー利用事業」がより広く伝わり、助けを求めやすい状況にすることが、少子化や虐待など現代の家族が抱える問題を解決する糸口につながるのではと思いました。話が大きくなってしまったようですが、それだけの効果が期待できる事業ではないでしょうか。真に困っているママやパパにとって、この事業がより身近に感じられるようになるといいと思います。

取材・文/和久田 南香