子育て耳より情報

ママもベビーも、しあわせなお産を。

2009年8月1日

「これから出産を考えている」という方は、どの施設で産むかということも考えますよね。はじめての出産なら一からの情報収集になるでしょうし、第二子以降の方なら、最初の出産を踏まえて、自分なりの考えもあるかもしれません。さまざまな条件を踏まえた上で、自分の目指すイメージに近い施設で出産できれば、より満足度の高いお産ができそうです。あなたの望むお産はどんなお産でしょうか。

メディカルバースセンターを見学しました

ぴっぴの取材ママは、2009年4月1日にオープンしてから4か月が経つ、浜松医療センター周産期センターの「メディカルバースセンター」を取材してきました。ここでは、助産師さんが中心となってケアする、母子に優しいスタイルの出産が実施されています。

施設の中は、こうなっています

バースセンタースタッフ
バースセンタースタッフ

医療センター5Fにあるバースセンターのフロアに足を踏み入れると、他のフロアとは別世界のように柔らかな色彩と、静けさに包まれます。外来診察室、分娩 室、分娩後の個室・大部屋と、どの部屋も花の名前がつけられ、ライラックならピンク系、たんぽぽならイエロー系・・という風にカラーコーディネートされて います。すべて個室の分娩室(LDR)は、病院というよりはホテルのようなインテリア。たとえば、分娩室「たんぽぽ」なら分娩台までがイエローカラーで、 元気が出そう。好きな音楽を聴いたり、好みのアロマを焚いたりしながら、出産までの時間を過ごすことができます。家族も一緒に出産のときを待ち、そのまま 出産まで立会えます。上の子の出産立会いも、希望に応じて可能です。
ママたちが産後の数日を入院して過ごす部屋には、ミーティングスペースがあり、浜松市の保健師さんが訪問して、産後のママたちを指導しているところでした。


 

メディカルバースセンター
花の名前がついた部屋

メディカルバースセンター
診察室。
健診は完全予約制です。

メディカルバースセンター
勉強中?の新人ママたち。
頑張ってます!




どんなふうにお産ができますか?

メディカルバースセンター
落ち着いて過ごすことができる
分娩室(LDR)

バースセンターのお産は、助産師が中心となってケアするお産です。出産には医師も立ち会いますが、基本的には医師は「見守る」というスタンス。リスクが低く経過が順調な妊婦さんにとっては、助産師外来でじゅうぶん対話を繰り返してきた助産師さんたちに付き添われてのお産は、とても心強いでしょう。助産師からは、陣痛とのつきあい方や、どんな姿勢で過ごしたらよいかといったアドバイスをしていきます。自然な出産ができるよう導きながらも、経過中心配なことが あれば医師に連絡します。
バースセンターとMFICU(母体胎児集中治療室)は、同じフロアでつながっているので、緊急時にはバースセンター内でも帝王切開が行えるように設備を整 えています。このように、バースセンターでのお産は、より自然なお産でありながら医療的なバックアップがある、「いいとこどり」のお産ができるのですね。
出産直後から母子同室になり、助産師さんたちのケアのもとで赤ちゃんと過ごす日々をスタートできます。入院する部屋は、バス・トイレはもちろんTVやネット回線まで完備した個室と、カーテンで区切られた大部屋があり、どちらもとても快適な空間です。


 

どんな妊婦さんがお産できますか?

メディカルバースセンター
入院用の個室
優しい色使いと快適な設備

さて、メディカルバースセンターで出産が可能なのは、どんな妊婦さんでしょうか。
妊娠20週頃までは、産婦人科外来で医師と助産師による妊婦健診を受け、既往歴・妊娠歴・妊娠経過のチェックを受けていきます。そうした中で、リスクが低く、かつ妊婦さん自身がバースセンターでの出産を希望すれば、バースセンターでの出産を目指して、以後は助産師外来での健診を受けていきます(22 週~40週)。この間、医師による健診も数回あります。健診の中で、経過に異常があれば、周産期センターでの出産に切り替わります。
また、リスクが高い妊婦さんや、リスクが低くても周産期センターでの出産を希望しない妊婦さんは、医師による健診を受けながら、周産期センターでの出産を目指していきます。
いずれにせよ、リスクの有無と妊婦さんの希望が重視され、医師や助産師とじゅうぶんに話し合っての決定となります

助産師さんに聞いてみました

今回、取材に応じてくださった所産師さんに、いろいろとお話を伺ってみました。

助産師さんも看護師さんも、スタッフの方は 皆さん女性ですね。

はい。医師も女医の比率が高いんですよ。診察時に女医に診てほしい、という妊婦さんの希望にも応じることができます。

健診時から分娩まで、ずっと同じ助産師さんに担当してもらえるのですか?

実際にはシフトの都合がありますので、それは難しいですね。ですが、チームを作り、チーム内のコミュニケーションをよくしてゆくことで、妊婦さんに安心感を持ってお産してもらえるように努めています。

ハイリスクでも、希望すればバースセンターで産むことができますか?

残念ながら、それはお断りしています。リスクのある方は周産期センターで出産していただいています。リスクのある妊婦さん、リスクの低い妊婦さん、それぞれ健診で見極めて適切に振り分けをすることで、バースセンターも周産期センターも適正な人数を、スタッフの目の行き届いた環境でケアすることができるようになります。

分娩時に、MFICUに移動するのはどのような時ですか?

破水して24時間以上たっても陣痛が来ないとき、羊水混濁が見られるとき、37.8度以上の発熱があるとき、血圧が140以上のとき、胎児心拍数モニターで必要な所見が見られるとき、などです。他にも、経過に応じて移動することがあります。

ホームページを拝見しますと「地域参画型」を導入、とされていますが、実際にどのようなことをされていますか。

さきほどご覧になったように、保健師さんとの連携は定着してきています。また、両親学級やメールマガジンなど、子育てNPOとの情報提供面での連携も行っています。今後の可能性として、地域の小児科との連携などを考えています。

今後バースセンターは、どのような存在を目指していますか。

妊婦さんにとって最後の砦のような存在ですね。「お産難民をつくらない」こと。安心して妊娠・出産、そして子育てができる環境づくりに貢献できるような病院でありたいですね。

浜松が、もっともっと子育てしやすいまちになってほしいですね。
今日はありがとうございました。

取材ママの感想

取材に伺ったのは午後の時間帯で、とても静かでしたが、その日は午前に何人かの赤ちゃんとお母さんが退院された後ということでした。施設の新しさ・美しさはもちろん、スタッフの皆さんのなごやかな雰囲気にとても落ち着くことができ、出産への夢が膨らみそうな施設でした。まだスタートしたばかりですが、これからさまざまな誕生のドラマがうまれてくるのでしょうね。
最後に、助産師さんをはじめ、たくさんのスタッフの方々、お忙しい中を取材にご協力いただき、ありがとうございました。


施設概要

メディカルバースセンター
メディカルバースセンター

助産師を中心に妊娠からお産までをサポートする施設として、県西部浜松医療センター内にて平成21年4月より運用開始。妊娠初期・中期・後期いずれ も異常を認めない、いわゆる正常経過(低リスク)の妊婦さんにとって、より自然な出産ができる施設である。分娩室(LDR)は3室。最大で18人収容可 能。
医療センターの5階フロアには「地域周産期母子医療センター」として母体・胎児集中治療室、新生児集中治療室(1号館)を備え、小児科病棟(3号館)もあ る。ここに「メディカルバースセンター」(2号館)が配置され、赤ちゃんから小児までの成育医療の機能がワンフロアーに集中した。

浜松医療センター/ メディカルバースセンター
所在地 静岡県浜松市中区富塚町328番地
TEL:053-453-7111
URL:http://www.hmedc.or.jp/about/barssenter.php

 


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