子育て耳より情報

パパの出番!「一緒に」やろう。家事も子育ても伝えあいながら

2017年12月19日

パパの出番 子育て教室

「パパの育児参加ってなんだろう」と感じることはありませんか?ここ十年ほどで「イクメン」という言葉がすっかり浸透し、パパが子育てや家事に積極的に参加する風潮が見られます。その反面「何をしたらいいのか?どこまでやったらいいのか?」と、戸惑いを感じるパパもいるようです。仕事と子育ての両立はママだけの悩みではありません。子育てについてもっと知りたい、家族がよろこぶ時間を作りたい、そう感じているパパも多いことでしょう。そこで、子育て教室「新米パパのお弁当デビュー交流会」に参加したパパや夫婦への取材をもとに、パパの役割や家族との時間について考えました。

今日の調理はパパが主役! パパたちの思いは?

男性も女性も同じように社会に出ることが当たり前になってきていますが、「男は仕事、女は家事」という性別役割分担の傾向は、いまだ根強く残ります。例えば、内閣府の調査では、「一緒にしたほうが良いと思う家事・育児」よりも「実際に一緒にしている家事・育児」の方が全ての項目について下回っています。パパたちは、子どもをお風呂に入れたり食事の世話をしたり、といった様々な家事・育児を思うほどには「一緒に」できておらず、まだまだ家事・育児の負担はママたちの方により重くなっているのが現状です。 

<平日に夫婦で実施すべき家事・育児と実際にしている家事・育児>

平日に夫婦で実施すべき家事・育児と実際にしている家事・育児

出典:内閣府 ワーク・ライフ・バランス推進のための意識調査2013

上のグラフのようにパパの家事・育児参加は理想通りにいかないことが多く、パパやママたちが戸惑う原因のひとつになっています。

パパの出番 子育て教室

では、今回の講座参加者の家庭はどんな様子なのでしょう。
講座には、12組の夫婦と4名のパパ、計16組が参加していました。まさに子育て真っ最中といえる未就園児のパパ・ママが対象です。子どものお弁当作りをしながら、交流の時間を持ってもらおうというこの企画では、パパたちが主役です。普段から自分のお弁当を作っているというパパから、家ではキッチンに立つことは全くないというパパまで、いろんな環境の方が同じ班で役割分担しながら一緒にお弁当を作っていきます。

お弁当作りの講師は管理栄養士、食育指導士、中級教育カウンセラーなどの資格を持つ加藤友季子さん。ご自身の子育ても終わり、今はお孫さんもいらっしゃるという子育ての大先輩です。先生の話を聞くパパたちの表情も真剣そのものです。今回の最大のミッションは卵焼き。その他、玄米おにぎりや飾り切りしたウインナーなどを作り、お弁当箱に詰めるまでを体験します。初対面のメンバーで慣れない作業をしていくので、始めはぎこちない感じで始まったお弁当作り。パパ主導でお弁当を作るので、ママは手を出したいところをぐっとガマンです。

パパの出番 子育て教室

夫婦で参加していたあるパパは、「食事作りをしようと思っても、普段やったことがないので何からしていいかわからないんです。1度こういったところで経験すれば自信を持って家でもできそう」と、調理経験が少ないながらも前向きな姿勢です。別のパパも「普段はなるべく奥さんの力になれるように家事にも協力しています……というのも、奥さんがニコニコしていてくれるのが一番平和ですから~(笑)。結局ママがメインで仕切ってやるのが一番早いので、ママの偉大さを感じます」と話します。講座に参加するパパたちの意識が高いのかもしれませんが、やはり日ごろから家事・育児に対してどう距離を縮めたらいいのか、と考えていることがわかりました。

奮闘するパパとムードメーカーのママ 共同作業で会話も弾む

パパの出番 子育て教室

何か子育てについてのヒントが得られれば、と参加したものの不慣れな調理でいっぱいいっぱいのパパたち。この場の雰囲気を和らげてくれたのが、ママたちの声かけでした。「今日は奥さんに言われて参加しているんですか?」と1人参加のパパに声をかけていたり、夫婦の間でもパパに「次はこうした方が早いんじゃない?」とアドバイスしたり、「この卵焼き、こうしてレイアウトするとハートに見えて子どもに好評だよ」と他のメンバーに教えてあげたりする声も聞こえてきます。ママはコミュニケーションの達人ですね。さりげなく、ちょっとだけ不器用なパパたちの橋渡しをしていました。

パパの出番 子育て教室

次第に名前を呼び合うほど教室の空気も和らぎ、笑い声や拍手などが沸き起こる楽しそうな様子が見られました。参加者同士、互いに子育ての話で盛り上がりながらも悪戦苦闘した2時間。少し時間がかかっても、見栄えが思うようにいかなくても、初めてだったら当然です。パパの慣れない作業を見守るママたちの気持ちは、ちょっとじれったいけれど、がんばってくれている姿がうれしいといったところでしょう。

忙しい日常生活では慣れているママが調理するのがいちばん早いのでしょうが、「一緒に」作業すると子どもの食事や体調のことなどを話すタイミングも作れます。パパたちからは「和気あいあいとでき、夫婦で楽しめた」「子どもが喜ぶことを考えるとワクワクする」という声があり、みんな自ら楽しんでやっている様子でした。ママからも「うちのパパ、積極的に他の家族と話していたな」「意外と手際がよかったから家でもお願いしちゃおうかな」など、パパの新しい一面を発見したという声が聞かれました。たとえ短時間でも夫婦で一つの場に参加する時間を共有することが、それぞれの得意分野やコミュニケーションのあり方について見直すきっかけになっていました。

取材を終えて

参加者に話を聞いてみると、パパたちの多くがすでに育児や家事を積極的にしているという現状にまずびっくりしました。私が子育て真っ最中だった10年前ではあまり見られなかった光景です。そんなパパたちの家庭への貢献度を自己評価で聞いてみると20%~30%くらいと答えます。思いの外、低い数字…。パパたちは「家族のためにもっと力になりたい」という気持ちがとても強く、普段からいろいろと考えていることがわかりました。
それでも現実的には、家事や育児にあてる時間がないパパも多いことでしょう。そんな時も、たまには少し早く帰宅して家族と一緒にご飯を食べる。その気持ちがママにとってもいちばんうれしいのです!食卓を囲みながら「子育てや家族のことについて話す」というだけで、ママや子どもの気持ちは和みます。これこそが「パパの出番」ではないでしょうか?パパの役割は家庭によって少しずつ変わってきますが、このような時間から家事や育児の負担も夫婦で一緒に解決することができるかもしれません。
長い人生の中で子育てはほんの限られた期間。せっかくならイクメンという言葉にとらわれることなく、夫婦でコミュニケーションを取りながら楽しんでいけたらいいですね。

文/三浦貴子