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『命を守る教育』

釜石市の津波防災教育に長く関わっていた著者は、今や「津波てんでんこ」や「釜石の奇跡」という言葉と共に有名になった群馬大学の片田教授です。片田教授が釜石市で行ってきた防災教育から、たくさんの命が救われました。その秘訣がこの本の中にあります。

この本の中にも著者が書いていますが、津波教育は、ただ単に「津波が来たら逃げる」ということだけではないのです。たくさんの人の中には「津波が来ても、逃げなくてもよい」と思っている人がいたり、津波が来た時に逃げない人を説得していたのでは助かる命も助からないということがあったりします。そこから生まれたのが「津波てんでんこ」です。津波が来たら、誰もが自分自身で逃げ、命を守るという精神です。

防災の意識の啓発について活動していると、防災の講演会を行っても意識が高い人は何度も参加しているけれど、防災に対する意識の低い人になかなかアプローチできないということが問題点としてあげられます。
そこで、子どもたちに防災教育を行うことにより、子どもの周りにいる大人の意識を喚起するということを行ったそうです。
これは、ぴっぴで防災教育を行う場合に、子どもたちが強い関心を持ってくれていると、その後親たちも強く関心を持ってくれるということを実感することがあります。
釜石では、実際に中学生を「EASTレスキュー」として、中学生主体で地域の人たちを助けるための活動を行っている様子も興味深いところです。

この本の後半には、釜石東中学校3年生の作文が載っています。中学生の目線で書かれた体験談には、身近な人の死や多くのものを失ったことなども書かれています。
あの東日本大震災の津波から逃れ、その後どのような生活をしてどのように感じているのかを私たちは知り、教訓にしていきたいと感じます。

(わかば)

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