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子どもの思いを想像する
夏休みも終わりに近づいたある日、小学生の娘が私に、自由研究の調べ物で川に行きたいと言い出した。何気なく父親には言ったのかと聞くと、まだ話してないと言う。
先ほどの会話のことは知らず、朝食後、父親が娘に宿題は終わったのかと尋ねていた。娘は自由研究がまだ残っていると話し、少しのやり取りの後、父親から「明日、川に行こうか。」と切り出し、娘も頷いていた。
自分の思いは、ことばで表現できる子になってほしいと願っている。自由研究をするため、娘は川に行きたかったのである。父親との会話のとき、なぜ娘は自分から「川に行きたい。」と言わないのだろう?そう感じた私は、後で娘に言った。「ああいうときは自分から言わないとダメだよ。」それに対し、娘は「お父ちゃんは足が痛いと言っていたから、お母ちゃんに頼んだ。」と言うのだ。
我が家は8月に引越しをした。近所への引越しだったこともあり、大きな物は業者に頼んだが、小物は全て自分たちで(ほとんど夫が)運んだ。何度も荷物を運び、階段の昇り降りをし、夫は足が痛むと言っていたのだ。娘はそれを聞き、娘なりにちゃんと考えていたのである。小さな驚きですらあった。娘の中でそんな意味があったとは。そうとは知らず、私は単に表面上のことで、娘に注意してしまったことを反省した。お父ちゃんのことを思ってくれて、ありがとう。
ことばが通じない頃の子育てでは、特に子どもの思いを組みながら、周りとの折り合いをつけていくことが重要である。でも、会話ができるようになっても、子どもの思いや考えを想像することって大切なんだと感じさせてくれた一件だった。翌日、娘は約束どおり父親に川に連れて行ってもらった。私は残って家の片付けである。いつになったら引越し荷物は片付くのか・・・。