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お弁当

先日あるテレビ番組で、運動会でのお弁当風景が写しだされていました。
シートに家族みんなが集まって座る…運動会ではよくある光景ですが、その手には、コンビニ弁当が持たれていました。
また近くのレストランでは、運動会姿の親子連れがランチを取っていました。
忙しい日常生活の中で、昔あった手作りのお弁当が消えてきていることを実感した場面でした。

学生にこの話をすると、驚く学生が大半でしたが、中にはお弁当の風景が変わったことぐらいでなぜそんなことを問題視するのかという反応の学生もいました。
みなさんは、どう感じられるでしょうか?

青年海外協力隊の隊員として、マレーシアの電気・ガス・水道のない村で3年間を過ごしたのですが、その生活の中で、お弁当の原点って、おにぎりなんだろうなと感じたことがあります。
マレーシアのお米(長粒米)でおにぎりを作ろうとしたら、ばらばらとくずれてうまく握りにくく、かつまずいのです。
冷えてもおいしいお米があったからこそお弁当という文化が育ったのだと思います。
おむすびにしろおにぎりという言葉にしろ、人の手の温もりを感じます。

お弁当コンビニ弁当もそのお弁当文化から生まれてはきているのですが、人の手の温もりという点では、やはり何かが違うと私は感じます。
幼稚園に勤めている時に、ピーマンやキュウリなどの苦手なおかずに四苦八苦している子どもに、お母さんは意地悪して入れたのかなと尋ねると、子どもたちはすぐ頭をふりました。
子どもたち自身がお弁当に温かい手が入っていることをよく理解していたのです。
そしてお弁当を見ていて感じることがあります。
それは文字の書かれていない手紙だということです。
保護者の想いがこもったお弁当という手紙に、子どもたちは食べるという方法で返事を書いているのです。
そして嫌いな食べ物が入っていた時は、各自の方法(ご飯と一緒に飲みこむ・ひたすら噛み続けるなど)で、一生懸命応えていました。

好きな食べ物を選ぶだけのコンビニ弁当では、たとえその中に、嫌いなものが入っていたとしても子どもたちは安易に残すことを選択するでしょう。
嫌いなものでも食べる…それは、作り手の想いを感じた時に乗り越えることができるのではないでしょうか。



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