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うちの子らしさを大切にする子育て(8)~危険を察知する力~
先日、子育てひろばで、孫育ての会に参加しました。
自分の娘や息子とそのパートナーの子育てを応援しながら、どんな風に関わったら良いのかと試行錯誤している話が聞かれました。
「時代が変わっているから自分たちの子育てとは同じではないと思うし、間違ったことを教えてはいけないから」「自分の子育ての時は精一杯で、随分乱暴な子育てしていたと反省してます」「わが子の時とは違うかわいさを感じる」など、自分の子育てを振り返りながら、孫に対して真面目に、一生懸命学ぼうとしている姿にはリスペクトしてしまいます。そして、どの方も孫への愛おしさが伝わってきます。
今回お話の中で、最近の子どもたちの状況が少し変わってきているというお話をお聞きしました。「生まれてから、たくさん守られ、大事にされているからか、危険を意識せず遊んでいて、けがをすることが増えてきている」「少しの凸凹でバランスを崩して転んだり、けがをする」。話を聞かれた祖父母からは、「そういえばケガしないように、危ないなあと思うと子どもを抱きかかえて移動させたり、危ないものは子どもの周りにおかないようにしています」と、周りの大人が先を読んで、危険なものと出会わせないようにしているのかもしれないと一人の参加者が話されました。
危険に対する、“ヒト”としての基本的な力の育ちは、無菌状態ではなく、“こどもの年齢や発達に合った多少危険な体験”を子ども自身が体感し、痛みや、これ以上は危ない、ここまでは大丈夫という事を体験値として持っていけるような子育て・孫育てを意識することが求められている時代になっているのかもしれません。
大自然でなくても、おうちの周りや近所の小自然の中で過ごすことから学ぶことは今の子育てでは大事なことのようです。人として「危険を察知する力の発動、自分を守る・身の守り方を学び、自分にとっての心地よさを見つける」ことは、人間には創り出せない空気・風のつよさや、周りの匂い、温度、日の光りの強さやまぶしさなど、一つとして同じ形や様子はない植物や動物などなど、「自然」が一番。整備されすぎていない環境での体験に勝るものはないという事ですね。
その子らしさは自分が【主人公になっている事】です。予測不可能さが加味された環境の中で、自分の感覚を総動員し、自分の身に起こっている出来事に、自分の体や頭を使いこなして対処・対応・行動する場面が、遊びや生活、暮らしの中にどれだけあるか、意識してみてください。
子育てに多少のケガはつきものというおおらかなとらえ方も必要かもしれません。
こどもの危険対応指数を高めていく環境を取り入れた子育て・孫育て・みんなで子育てを考えていきたいですね。危険の伴う体験は、周りの大人の受容的・応答的サポートが必要です。祖父母世代の力も借りながら、次第に「自分でできる・自分らしくできる」に繋がっていきますから。時間をかけていくことが大事ですね。