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~春の訪れを待ちながら~

立春を過ぎたのに、まだまだ寒さが厳しく、あたたかな春がほんとうに待ち遠しいこの季節に、
次の3冊などいかがでしょう?

1)「はなをくんくん」
 
ルース・クラウス/作
きじまはじめ/訳
マーク・サイモント/絵
福音館書店

はなをくんくん

はなをくんくん

冬眠していた動物たちが順に目を覚まし、雪深い森の中を鼻をくんくんさせて駆けていきます。そして「みんなぴたり。みんなとまった」そこで動物たちが見つけたものは?おおぜいの動物たちの輪の真ん中に小さなお花がひとつ。この場面にしか出てこない一輪の花の黄色はこどもたちの目をひき、それは表紙の色につながり、また、待ちに待ったお日さまの黄色につながっていくように思われます。墨一色の地味な絵、単純なストーリーですが、序・破急的に流れる構図(松居 直)とリアルだけれど愛らしく描かれたノネズミやクマやカタツムリ、リスたちの姿、そして詩のような文章から「ちいさな春」を見つけた喜びが素直にこどもたちにも伝わってきます。

2)「ぽとんぽとんはなんおと」

神沢利子/作
平山英三/絵
福音館書店

ぽとんぽとんはなんおと

冬ごもりの穴の中で生まれたふたごのくまのぼうやとやさしい母さんの会話が、聞こえてくる音(季節の移りかわりの)を想像することで展開していきます。
「かーんかーんってなんのおと?」「きこりがきをきるおとでしょう」・・・ことりの声だったり、なだれの音だったり・・・。そして、ある日、「ぽとんぽとんってなんのおと?」とつららのとける音のあと、春風の運ぶ花のにおいがします。傍らにはピンクのカタクリの花が咲いています。(裏表紙にも) 
やさしいことばを絵があったかい気持ちにさせてくれる絵本です。

3)「ねっこぼっこ」

ジビュレ・フォン・オルファース/作・絵
生野幸吉/訳
福武書店

ねっこぼっこ

ねっこぼっこ

1982年に初めて紹介した訳者の生野幸吉さんは「ここには、むかしながらの土のにおいがあります。
そして、早く世を去るさだめだった女性の眼が大地の母のはたらきや四季のめぐりやおさない子どもたちのすがたをみつめています」と解説しています。
春はどこからどんなふうにやってくるのか、季節もどのように移り変わっていくのかをおさえた色使いで描き出しています。それぞれの草花の色の服を着たねっこぼっこたちと草花や昆虫たちとの交流を通して。
「お起き、お起き、こどもたち、さあ、もうすぐ春がきますよ!」(生野幸吉訳)
「さあ、おきなさいこどもたちもうすぐ春がやってくる」(秦理絵子訳)
など訳や語り口に違いがありますが、そのことを楽しむこともできます。


五感を働かせることの大切さがよく言われていますが、
1)は鼻、2)は耳、3)は目(しいて言えば)ということになるでしょうか?
どれも早春の息吹きを感じさせてくれるような本で、子どもたちに成長する喜びも感じさせてくれることでしょう。どうぞ、ごいっしょに楽しんでください。

(注)その他 訳
・「ねっこぼっこ」
秦理絵子/訳 平凡社
・「根っこのこどもたち目をさます」
ヘレン・ディーン・フィッシュ/文ー英語版翻訳
いしいももこ/訳編 童話館出版

文/村上節子さん

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