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きんいろのしか
きんいろのしか(バングラデシュの昔話)
ジャラール・アーメド・案 石井桃子・再話 秋野不矩・画 福音館書店
金が大好きで、国中の金を独り占めにしてる王様が、ある日森で見つけた金色の鹿。動物たちと心を通わせる心の優しい少年ホセンは、鹿を追っ手から逃がしたために王様から命を狙われ、仕方なく金色の鹿を探す旅に出ます。
途中、トラや象に助けられ、なんとか金色の鹿に出会えたホセンでしたが、鹿を連れて行けば鹿がつかまってしまうことを嘆きます。
思慮に欠ける欲張りな王様がわがままを言ったために、ついには身を滅ぼす、という内容のお話、と言えば、昔話によくある展開、と思われるかもしれません。でも、このホセンが鹿を探す冒険の旅。ちょっとドキドキわくわくします。
トラに食べられやしないかな、鹿が見つかったらどうなっちゃうんだろう…!
読み聞かせの考え方とは違うのかもしれませんが、そこは、ちょっと大げさに読んであげたいところです。
これは、見て、聞いて、楽しむ絵本。福音館書店から出版されたこの絵本は、見開きの見ごたえがある絵で、ホセンの冒険の様子をふくらませます。
前回私が紹介した「教室はまちがうところだ」の作者は静岡県の方でしたが、この本の画家は天竜の方。
そう、美術館もある、秋野不矩さんです。
秋野不矩さんのすばらしい絵が全てのページの見開きで使われている、美しく贅沢な絵本です。
惜しむらくは、この本が日本とバングラデシュの国交樹立30周年を記念して復刊された、限定出版であったこと。どうぞ、図書館で探してみてください。そして、すばらしい秋野不矩美術館にぜひお出かけください。
浜松市の天竜地区、今の時期はきっと、紅葉もすばらしいですよ。
そうそう、以前行ったとき、このお話の絵のポストカードを販売してました。
どうしてこんなにきれいな金色なんだろう、という、日本画のバングラデシュです。