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絵本笑介「もこもこもこ」

もこ もこ もこ
「もこ もこ もこ」
 さく/谷川俊太郎
 え/元永定正  絵
 文研出版

 

 

こういう抽象的な絵と言葉の絵本って子どもには不向きじゃないかしら?って
思うかもしれませんが、それこそ大人側の勝手な思い込み。

この絵本を読み聞かせすると、1歳児の顔にふわ~と暖かい表情がこぼれてきます。
子どもの想像力はこんな抽象画から始まるのかもしれません。

写実的な「くだもの」福音館、は現実と想像を結びつける役目をします。これも脳の発達には重要な働きかけをしてくれます。写実的な絵本を左脳への刺激とするなら、抽象的な絵本は右脳への刺激でしょうか(脳に詳しい方、間違っていたら教えて下さい)。
自由な想像は自由な感情の遊びを創りだしてくれます。すいかの絵を見て、りんごと言ったら怒られますが、赤い円の絵を見て、すいかと言おうがりんごと言おうが間違いではありません。そう見えたのですから、その世界を共有して楽しむ母の笑顔がその子がその子である原点を受け入れてくれたわけです。

図書館で見かける光景で、子どもが返したばかりの同じ絵本を選ぼうとしたとき「またそれ借りるの?今日はこっちにしよう」とか、母が気に入らない絵本だと「それよりこっちにしよう」なんて言っていれば、これも子どもの芽を摘んでいることですね。子ども側の視点に立てば大人のほうこそ気づかされることってありますから。気づけないのは大人側の凝り固まった“我”があるからなんですがねえ。

さたさて、「もこ もこ もこ」の表紙をみなさんはどうされていますか?
絵本の表紙は外している方が多いと思います。とくに読み聞かせをされている方へはそういう指導もあると思います。それは正論で大切なところです。

があ(強調してます)、絵本を作る方たちというのは、以前も「いない いない ばあ」でお伝えしましたが、絵本はひとつの芸術作品です。作者の限りない創造力がここかしこに練りこまれていて、それをどう感じてどう受け止めようと自由なんですね。奥深い所で作者と共鳴して、そこにおもしろさや魅力を感じるのも良し。しかし、そう感じてそのように受け止めなきゃいけない、というものではありません。そういう見方、楽しみ方もあるんだなあ、と捉えてくださいね。

「もこ もこ もこ」の最後のページにも「もこ」と出てきますが、表紙を付けたままだと「もこ」が隠れてしまいます。だから表紙は外すとみるか、表紙を開けると「もこ」と出てくるのが「いない いない ばあ」現象を作り出しているとみると、だから表紙をつけておいたほうがおもしろい、とみるか。
だいたいあそこの「もこ」があるのは偶然?

いわむらかずおの“14ひきシリーズ”のカバーの絵は本体の表紙部分の絵と違っています。そんなところにもおもしろさの発見をすると、得した気分でうれしくなっちゃう、そこのところは成長が止まっている絵本笑介です。

 

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