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白ロシアの民話 ガラスめだまときんのつののヤギ

白ロシア(現ベラルーシ)に伝わる民話をスズキコージの絵で絵本化したものです。

おばあさんが麦を撒き、それが大きく育ったところへ性悪のヤギがやってきて、麦を食っては踏んづけ食っては踏んづけ、やりたい放題。おばあさんは「出ていけったら出ていけ」と追い払おうとしますが、ヤギは「よけいなおせわだ、おいぼればあさん」と悪態をつく始末で、いっこうに出ていこうとしません。困ったおばあさんは、クマやオオカミ、キツネ、ウサギに助けを求めますが、いずれも、ヤギに「なまいきいうない!おいらにゃ、ガラスめだまと金のつのがある。ひとつきすればいちころさ」と凄まれ、すごすごと逃げ出してしまいます。でも、昔話や民話のお約束通り、最後は小さなハチがヤギの鼻をチクリッ!ヤギはメーメー鳴いて逃げ出したという、小さな子たちに人気のお話です。

ヤギと対峙する動物が、大きなクマから次第に小さくなっていき、次々に失敗するも、最後に一番小さいハチがヤギの追い出しに成功する、という定番の展開の痛快さもさることながら、この絵本の人気は、どうやら登場人物(動物?)たちのことば遣いにもありそうです。ふだん「汚いことばや乱暴なことばを使ってはいけません」と言われている子どもたちにしてみれば、「出ていけったら出ていけ!」や「なまいきいうない」といったちょっと乱暴でお行儀の悪い、でもちょっと使ってみたいことばを、本の中で堂々と使っている登場人物たちはとても魅力的に映るようです。おはなし会で、このフレーズが出てくるたびに肩をすくめて頬を緩める子をよく見ました。

展開とぴったり合ったスズキコージの絵も魅力です。タイトルに毛糸を使ったり、様々な素材を切り貼りしたり。空の雲はなんと英字(たぶん)新聞です。これらが絶妙に混ざり合って、このちょっととぼけたお話の世界をダイナミックにしかもコミカルに描き出しています。

年長さんから小学校低学年への読み聞かせにぴったりの絵本です。

文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 代表 松本なお子さん

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