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石のししのものがたり チベットの民話による

強欲な兄と、無欲でやさしい弟のお話です。このパターンのお話は日本にも外国にもよくありますので、聞いている子どもたちは、「あ、やっぱり」とか「えっ、そうきたか!」と予測しながら楽しんでくれます。

欲ばりで自分勝手な兄に家から追い出された弟は、母と二人で小な家でつつましく暮らすことになります。ある日、山で薪を集めていた弟は大きな石の獅子を見つけます。山の守り神だと思った弟は、丁寧にお祈りをしました。すると突然石の獅子が口を開いて、のぞみをかなえてやるから明日大きい桶を持ってくるようにと言います。翌日弟が小さな桶を持って石の獅子のところへ行くと、獅子は桶の中に金を次から次へと吐き出してくれ、弟の暮らしはたちまち豊かになりました。

これを知った兄は、自分も獅子から金をもらおうと大きな桶を持って出かけます。けれども強欲な兄は、金を手に入れるどころか、獅子の口に手をいれたまま抜けなくなってしまいました。おまけに金はみんなただの石ころに変わってしまったのです。

さて、兄がどうやって獅子の口から手を抜きだすことができたか、その展開はちょっとユーモラスで、子どもたちも思わずくすっと笑ってしまう場面です。オーソドックスな展開を彩るのは異国情緒あふれるダイナミックな絵です。チベットを知らない子どもたちも、この絵から自然にチベットの風土を感じ取り、そこで展開する物語に引き込まれていきます。

この絵を描いた秋野亥左牟は、我ら浜松市民が誇る画家秋野不矩の次男で、不矩と共にインドやネパールに暮らした経験もあり、またメキシコやアメリカ、カナダ等での滞在経験もあります。それらがこの画家の独特の感性のベースになっているのでしょう。

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