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うまかたやまんば
【おすすめの年齢:読んであげるなら4歳から、自分で読むなら小学校低学年から】
むかし、あるところに、ひとりのうまかたがいました。うまかたは、日が暮れた峠でやまんばと出会います。やまんばは、馬をまるごと食べても足らず、うまかたもとって食おうと追いかけてきます。しかし、あんがい間抜けで、うまかたにころっとだまされ、最後には退治されてしまいます。
おはなし会などでこの本を読むと、子どもたちは皆、真剣なまなざしで聞いています。うまかたが必死に逃げている間は、口元をおさえて少し怖そうに。うまかたがやまんばをやりこめる場面になると、とたんに笑顔に。子どもたちはうまかたに同化して、ドキドキ、わくわくしているのです。
昔話ですので、「うまかた」や「やまんば」がイメージできない子もいますが、そこは絵本のよいところ。赤羽末吉さんのすばらしい絵から、あっという間に昔話の世界に入っていきます。また、小澤俊夫さんの再話は、繰り返しが多用され、前半は疾走感、後半はユーモアを感じる語り口で、子どもたちを飽きさせません。
テレビもインターネットもない時代、長い夜に子どもたちをわくわくさせたのは、親や祖父母から聞く昔話でした。一昔前はテレビで昔話のアニメーションが放送されていたりもしましたが、現在では日常生活の中で幼い子が昔話に触れる機会は本当に限られています。
秋の夜長には、昔話絵本を読んで、お子さんとドキドキ、わくわくを楽しむのもよいのでは。
紹介した絵本
文/浜松市立天竜図書館 笹竹