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昔話に学ぶ子育ての知恵(1)~「わらしべ長者」から学ぶ子育てへのメッセージ~

昔話に学ぶ子育ての知恵

わらしべ長者は昔から語り継がれている日本の昔話の1つです。皆さんはご存知でしょうか?
こんな話です。

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「ある若者がわらしべ(稲のわらの芯)を持って旅に出ました。若者は困っている人にわらしべを手渡しお礼にもらったものをさらに次の困っている人に手渡して、次々と価値のあるものを手に入れていき、最後には幸せになりました」

わらしべ長者のお話では、自分が獲得したものを欲しがっている丁度良い相手と出会うことで次のステップに進んでいき、最後には長者の婿になって幸せになります。

昔話研究者の小澤俊夫氏は、この昔話は「子どもはじぶんが獲得しているものとちょうど合致するものと出会った時に次の段階に進むことができる(駿河台大学論叢第50号2015)」という子どもの成長を語っていると言います。子どもの成長において大切なのはちょうど良い時に適切なものと出会うことです。こどもの育ちに関わる親や周りの大人は一人一人の子どもの成長に応じてちょうど良い時期に適切な手助けや環境を用意してあげることが必要です。

芸術やスポーツの世界で一流と言われる方は、幼い頃からトレーニングを受けて上手くいった例でしょう。しかし中には早く始めることで挫折するなど、かえって苦手意識を持つ場合もあるようです。私の友人に「母に勧められてピアノを習っていたけれど、いやでいやで小学校3年生で辞めてしまったけれど、それ以来ピアノには苦手意識を持っている」という人がいます。上手くいったケースは注目されても、上手くいかなかったケースや、やめてしまったケースは取り上げられません。親の思いと子どもの望むことは違う事もあります。子どもが本来持っている育つ力を妨げないということを何よりも大切にしたいですね。

子どもの将来を考えたときに、できるだけ早く色々なことを身につけさせたいと考える方は多いのではないでしょうか。親心ですね。しかし一方で周りがしているからとか、早いことが良いのだと信じて、子どもが、まだ興味を持たないうちに親が良かれと考えて始めてしまう事はないでしょうか。

自分の獲得した力と合致するものと出会うまで、子どものペースを大事にしながらその時が来るのを待つということを大切にしたいですね。子どもは自分で自分の次のステップを見つけていきます。階段を駆け上がるように一気に成長する子どももいれば、ゆっくり成長する子どももいます。なんでも早期に早い速度で進めれば良いのではなく、その子のペースを大切にしてあげたいものです。

子育ては一人一人の子どもに合わせた個別のアプローチが必要です。わらしべ長者のように適切な時に適切なものと出会うことが子どもの育ちを支えていくのです。早すぎず、遅すぎずちょうど良いタイミングを見つけることが大事ですね。 

成長には時があります。慌てずにその時を待ちましょう。

わらしべ長者の話が掲載されている本

 

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