子育て耳より情報

子どものお祝い行事 in 浜松 2分の1成人式と立志式

2014年3月15日

子どもの成長は親にとって何よりの喜びですね。誕生から、お七夜やお宮参り、七五三と続いて一段落とされるお祝い行事ですが、浜松の小中学校では「2分の1成人式」や「立志式」が行われているのをご存知ですか? 10歳と14歳の節目に行われるこの行事について取材しました。

2分の1成人式、立志式とは?

2分の1成人式

小学4年生(10歳)で行われる2分の1成人式。文字通り、成人式の半分となる10歳の節目に行われます。一方、中学2年生(14歳)の立志式の起源 は「元服」。昔、14歳前後で行われた大人になる儀式にちなんでいます。これらを学校行事として行う意義を、浜松市教育委員会指導課の先生に聞きました。 「浜松市では、10年ほど前から多くの学校で行われるようになりました。浜松の“人づくり教育”の一環です。子どもたちが自分自身のこれまでを振り返って 親に感謝するとともに、将来に向けての目標や夢を再確認して発表する機会としてとらえています」 式のスタイルは各学校によってさまざま。体育館で学年全体が集まり盛大に行われるもの、クラスごとでアットホームに開催されるものなど、学校ごとに趣向を 凝らして計画されます。今回は、与進小学校の2分の1成人式と、与進中学校の立志式を取材しました。

生まれてからの10年を親子でたどる、2分の1成人式

自分史

与進小学校の2分の1成人式は、参観会に合わせてクラスごとに開かれました。保護者の方が教室に集まり始めると、子どもたちは少々緊張した面持ちです。
「はじめの言葉」に続いて、子どもひとりひとりが作文を披露。将来の夢や家族への感謝の気持ちがつづられています。
「将来はサッカー選手になりたいです。その夢をかなえるため、頑張って練習を続けています。送り迎えをしてくれるお母さん、ありがとう」
「単身赴任で仕事をしているお父さん、毎日お姉ちゃんのためにお弁当を作っているお母さん。家族のために頑張ってくれて感謝しています」
それぞれの思いが素直に伝わってくる文章に、聞いていたお父さんお母さんも思わずホロリ。担任の先生も、子どもたちの立派な様子を見て目頭を押さえていました。

この会のために授業で作ってきた「自分史」の発表もありました。生まれたとき~幼稚園・保育園~小4までの様子をまとめたもの。エピソードをお家の人に取 材したり、写真を一緒に選んだりして作り上げました。できあがった自分史のファイルを親子で見ながら、しばし会話が弾んでいました。 最後に「みんなに、お家の方からサプライズプレゼントがあります」と先生。子どもたちに内緒で、お父さんお母さんが手紙を書いていたのです。子どもたちは ニコニコしたり涙ぐんだりしながら、じっくり手紙を読んでいました。式の終了後、ホッとした表情を見せる子どもたちの姿が印象的でした。

保護者の方の感想

「わが子のはもちろん、どの子の作文も胸にグッとくるものがあり、みんな大きくなったなぁと思いながら聞いていました。また、自分史を作るための写真選びやインタビューは、親子で小さい頃から現在を振り返るいい思い出になりました。10歳って高学年になる自覚が生まれる頃ですが、まだまだかわいい時期。素直に親への言葉や将来の夢が語れる年代に、このような式があってよかったなぁと感じています」 (佐々木さん)

「大人になる心」が目を覚まし、級友との絆が強まる立志式

立志式

続いて、与進中学校での立志式を紹介しましょう。46人の立志式実行委員と先生方が一緒になって準備が進められたそうです。「実行委員を募ったところ 多くの生徒が立候補してくれました。当日の運営をはじめ、冊子作りなどの準備もすべて実行委員が担当。“生徒が作り上げる立志式”になりました」とは学年 主任の羽生先生。 式の中心になったのは、「群読」と「立志の誓いVTRの上映」。クラスごとに1つの詩を選んで、舞台の上で朗読する群読は、詩に込められた熱いメッセージ が伝わってきます。また、全員が将来の目標を誓ったVTRでは「人の役に立つ人間になる!」「教員になる!」「薬剤師になる!」と、どんな大人になりたい かが力強く語られました。 このVTR、先生が何日もかけて生徒を1人ずつ撮影したそうです。カメラマンを務めた松本先生は「将来に対して希望を持ってほしい、そんな思いでビデオを 回しました。生徒たちが実に堂々と夢を語ってくれたのはうれしい限り。この学年の立志式に立ち会えたことに幸せを感じています」と話してくれました。


立志式終了後、子どもたちに感想を聞きました。

  • 「立志の誓いVTRでみんなの意気込みを知り、自分も夢を実現するために頑張りたいと思いました。感動的な素晴らしい立志式になりました」
  • 「自分の決めた夢をかなえたい、という思いが強くなりました。友達にもそれぞれ目標があるんだな。将来どうなっているか楽しみです」
  • 「私の知らない職業を将来の目標にしている人がいて、今日は世界が広がりました。これから少しずつ大人になっていきますが、あせらず自分の道を進んでいきたい」
  • 「私と同じ夢を持った人がいました。この中学にもライバルがたくさんいそうです。全員の大切な夢がかなったらいいなと思います」

2分の1成人式は親とのつながりが中心でしたが、立志式では友人や先生との関係がより強まっているという印象です。それぞれの目標に向かって、みんなで頑張っていこうという雰囲気が伝わってきました。また、高校受験が少しずつ近づく中2の冬に「将来の夢」を発表することで、受験勉強にも目標を持って取り組めるのではないかな、とも感じました。

取材を終えて~母の目から見る、式の意義~

思い返せばわが子が0歳の頃は「寝返った、はいはいできた、歩いた~!」など、毎日が成長の連続でした。それが1歳を過ぎたころから、目に見える成長は緩やかになっていきます。子どもが学校に上がればなおさらです。
そんな中、節目節目で子どもの“こころの育ち”を実感する行事があることは親にとって幸せなことです。わが子が堂々と自分の意見を発表したり、具体的な将来の夢を持っていたり。そんな姿を目の当たりにすると「立派に育ってくれてありがとう」と言いたくなります。子育てに追われる毎日は大変ですが、こんな瞬間があるから報われるのかもしれませんね。
10歳、14歳それぞれの夢が大切に育まれ、やがて大きく羽ばたいてほしいと願わずにはいられません。

取材・文責/NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ/鈴木亜希