TOPぴっぴのブログ子育てのヒント妊娠・出産感染症にご注意を! 助産師たちのつぶやき

子連れでおでかけ

子育てのヒント

特集記事

お気に入り

感染症にご注意を! 助産師たちのつぶやき

助産師たちのつぶやき

あけましておめでとうございます。寒さがひとしお厳しくなり、朝起きるのがつらい季節ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。この寒い時期にはさまざまなウイルス感染症が流行することはご存知だと思います。コロナウイルスはもはや通年ですが、インフルエンザウイルスやノロウイルス…などなど馴染みのあるウイルスが活発に活動する時期といえるでしょう。今日はそのようなウイルス感染症の中でも、この冬季及び春から初夏にかけて多く発生するA群溶連菌感染症についてお話しします。

まず溶連菌と聞いて、B群溶連菌(GBS)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?溶連菌はA群とB群などに分けられます。B群溶連菌は、体内にいる常在菌なので感染していても問題ありませんが、妊娠後期の検査で陽性であった場合は児への産道感染を予防するために、分娩時に抗生物質の点滴を行います。

一方でA群溶連菌感染症は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、ありふれた感染症の一つで、子どもののどの痛みではよくみられます。典型的な症状は発熱、のどの痛みです。劇症型(症状が極めて激しく重篤)では、これに下腹部痛が加わります。これらの症状は他の疾患や妊娠経過でも生じるものであるため、つい見過ごしやすい症状です。しかし、特に鼻水や咳などの症状に乏しい場合は、安易にかぜと判断してはいけません。血流感染を起こして子宮内膜に感染が生じると、腹痛を生じ、子宮内胎児死亡に至ることもあります。また、劇症型A群溶連菌感染症による敗血症(血液中に病原体が入り込むことで引き起こされる重篤な全身感染症)が近年増加しており、敗血症ショックを起こした場合は、母体の生命を脅かす状態になる怖い感染症の一つです。

A群溶連菌感染を疑う場合は、家族の感染歴や感染兆候の有無を確認します。子どもの方がのどに保菌率が高く、第2子の分娩では、上の子どもの感染兆候に気を配る必要があるからです。そのため、A群溶連菌に感染している子どもと接触した後に、妊婦も発熱やのどの痛みがあれば、必ずかかりつけの先生に相談し受診をしましょう。

taaraiugai.png

気になる予防法は、まずは感染者との横行接触を避けることが最も需要であり、うがい手洗いなどの一般的な予防法を励行することです。コロナ感染が流行し、アルコール等による手指消毒は実施する機会は多くなってきました。しかし、アルコールによる手指消毒を過信し、手洗いうがいの回数が減っていることはないですか?手や指についたウイルスは洗い流すことが最も重要です。そして、ウイルスの中にはアルコール消毒のみでは効果のないものもあります。自身の手洗いの方法とタイミングをもう一度見直してみてください。そして、正しい感染予防策でこの時期をともに乗り越えていきましょう。

文/浜松医療センター 助産師 松本美佳

カテゴリー

このカテゴリの記事

子育てのヒント
を検索

このページの先頭へ