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妊娠中に気をつけたい感染症について

こんにちは。保健師の松井です。
4月になり新年度がスタートしました。朝夕は、肌寒さを感じることはあっても、日中は外に出ると陽の光が暖かく、春を感じる今日この頃です。
今月は、妊娠中に気を付けたい感染症についてのお話です。この冬、南米のブラジルでは、ジカ熱という感染症が流行し、ニュ―スなどでは妊婦さんが感染すると小頭症のお子さんが生まれると報道されましたね。妊婦さんにとっては、胎児に影響を及ぼすことは、絶対に避けたいことです。

妊娠中の感染症には、妊婦さん自身の症状はごく軽いか、もしくは無症状であっても、お腹の赤ちゃんに障害をおこしてしまうものがあります。妊婦健診の中でも感染症の検査を行っていますが、すべての感染症に関して検査できるわけではないので、日常生活の中で感染しないように予防することが大切です。

手洗い予防対策の1つ目が「石けんと流水で手をよく洗うこと」です。手洗いは、感染予防の基本ですが、特に食事前にしっかりと洗うことが大切です。トキソプラズマという微生物は家畜の肉や感染したばかりの猫の糞や土の中などにいる小さな原虫で、妊婦がはじめて感染すると胎児にも影響を及ぼすことがあり、流産・死産・胎児に障がいが生じる場合もあります。生肉を扱う際やガーデニング、動物(猫など)の糞を処理する時は、使い捨て手袋をつけるか、その後に丁寧に手を洗いましょう。

2つ目は、「小さな子どもとの接触、パートナーとの接触に注意すること」です。人の唾液や尿に多く含まれているサイトメガロウイルスは、健康な人が感染してもほとんど症状が出ることはありませんが、妊婦になってはじめて感染すると、胎児に障がいなどを引き起こす可能性があります。妊婦さんでは、2人目の子どもを妊娠した時に上の子どものお世話をしていて感染することが多いので注意しましょう。

3つ目は「しっかり加熱したものを食べる」ことです。火を十分に通していない肉や生ハム、サラミ、加熱していないチーズ、生野菜などは感染源となる微生物(トキソプラズマ、リステリア菌など)が含まれることがあります。妊娠中は、加熱した食品をとり、生野菜を食べる際も十分に洗うことが大切です。

4つ目は「人ごみは避けること」です。インフルエンザの流行は落ち着きましたが、春から夏にかけては風疹の流行に注意が必要です。流行している時は、人ごみは避け、外出時にはマスクを着用しましょう。

5つ目は「ワクチンで感染症を予防すること」です。風疹、麻疹、水痘、おたふくかぜはワクチンで予防ができます。ただし妊娠中、ワクチン接種はできません。特に風疹は、妊娠中に感染すると胎児に先天性風しん症候群を起こすことがあります。妊婦健診で風疹抗体を持っていない、あるいは抗体の値が低いことが分かった場合は、同居の家族に風しん麻しん混合ワクチンを接種してもらいましょう。また、2人目以降のお子さんを希望される方で1人目の妊娠時に風疹抗体価がなかった方、低かった方は次回、妊娠時までにワクチンを接種することが大切です。ワクチン接種後2か月間は避妊が必要になります。

出産を無事に迎えるためには妊娠中の健康管理が大切です。普段から感染予防を意識していただきながら、適切な時期にかかりつけの産婦人科や助産所で妊婦健診も受けてください。

文/浜松市保健師 松井

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