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無痛分娩ってどんなお産?~痛みを抑えて、自分らしい出産を~
今回の話題は「無痛分娩」です!
出産といえば「痛いもの」というイメージが強いですが、近年では「無痛分娩」を選ぶお母さんも増えてきました。
無痛分娩とは、麻酔を使って陣痛の痛みをやわらげながら出産する方法です。日本では「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」が主に用いられています。腰のあたりから細いチューブを入れ、そこから麻酔薬を少しずつ注入していくことで、下半身の神経が部分的に麻酔され、陣痛の痛みが軽くなります。
ただし、完全に痛みがなくなるわけではありません。陣痛がある程度進んだ段階で麻酔を開始するため、それまでは痛みを感じることになります。それでも、出産が最もつらい時期の痛みを抑えられることで、リラックスしてお産にのぞみ、赤ちゃんの誕生をしっかり見届けることができます。赤ちゃんへの影響を心配する方も多いですが、硬膜外麻酔は母体の下半身の神経に作用する局所麻酔のため、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。
一方で、無痛分娩にもデメリットがあります。体質や麻酔の入り方によって、思ったより痛みを感じる事があるかもしれません。また、陣痛が弱くなってお産が長引き、吸引分娩や帝王切開になる場合もあります。さらに、麻酔を扱える医師が限られているため、対応できる病院はまだ多くない地域もあります。予約制のところが多く、事前の説明や準備が欠かせません。まれにですが、麻酔の合併症として、血圧の低下や頭痛、腰痛が出ることもあります。重い合併症はごくまれですが、リスクをきちんと理解したうえで選ぶことが大切です。
日本での無痛分娩の割合は年々増えており、2007年の2.6%から2023年には13.8%まで上昇しています。それでも、欧米諸国と比べるとまだ少ない数字です。
「出産は痛くて当たり前」と言われることもありますが、すべての人が同じように痛みに耐えられるわけではありません。無痛分娩によって痛みが軽減されることで、体力や気力を保ちながら出産にのぞめたという声も多くあります。産後の回復がスムーズになった、出産に対する恐怖心がやわらいだというケースもあります。
大切なのは、「自分に合ったお産を知り、選ぶこと」。興味を持たれた方は、妊娠した際にはかかりつけの産婦人科医に相談してみてください。