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だいくとおにろく

幼稚園年長から小学1.2年生くらいの子どもたちが楽しめる、日本の昔話絵本です。

この絵本は、大工と鬼の話ですが、日本の昔話では鬼がよく登場します。

だいくとおにろく
だいくとおにろく
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松居 直
福音館書店
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流れの早い川に橋をかけてほしいと頼まれた大工が、どうやって橋をかけようかと考えていると、川の中からぶっくりと大きな鬼が現れます。からだは赤くて大きいのですが、どこかユーモラスで怖い感じはなく、大工も平気で鬼の言うことに答えます。

鬼は大工のめだまをくれたら橋をかけてやってもええぞ、といいますが、大工は、どうでもよいといい加減な返事をして帰ります。翌日、大工が川に来てみると、なんと橋が半分かかっていました。さらにその翌日にはちゃんとりっぱな赤い橋ができあがっていました。大工がたまげて見ていると、鬼がぶっくり出てきて、

「さあ、めだまぁ よこせっ」と大きな手を差し出しますが、大工は、たまげて

「まってくれ」とたのみ、逃げ出します。すると鬼は、

「そんなら、おれのなまえをあてれば ゆるしてやってもええぞ」と、どなります。

さあ、困った大工は逃げて逃げて山の中をあっちこっち歩いているうち、遠くのほうからのこもりうたを聞いて、はっとわれにかえります。

なんと!このこもりうたの中に鬼の名前が入っていたのですね。

私も、このこもりうたの部分は歌うように読むのですが、子どもたちに名前がわかるようにゆっくり読むようにしています。すると少し大きい子や感のいい子は、アッと笑顔を見せてくれます。じつは表紙のタイトルで“おにろく”と読んでいるのですが、“むかし、あるところに、・・・”と始まれば、子どもたちは絵を見ながらお話の中に入り込んで楽しみます。

鬼の名前がわかった大工は、鬼とのやりとりにも余裕が出てきて、出まかせでいくつかの名前を言いますが、最後に本当の名前を自信たっぷりに大声で叫びます。

昔話は世界各国に語り伝えられていますが、今は昔話絵本としてたくさん出版されています。子どもたちには、それぞれの国の昔話にぴったりあった絵が描かれているものを選んで読んであげてほしいと思います。

この絵本も、大工や鬼の姿、赤い橋など日本の昔話そのものの絵で、ちゃんと子どもたちに昔話を届けてくれています。また、絵のカラーページとモノトーンのページが交互に描かれていますが、モノトーンの絵でお話を聞きながら想像をさせ、次のカラーページでアッと思わせる展開は、メリハリができて子どもたちをさらにひきつけてくれます。

文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 副代表 島田洋子さん

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