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こいぬがうまれるよ

「犬を飼いたい」とお子さんにねだられた方は多いのではないでしょうか?そんな子どもたちのあこがれを具現化した写真絵本です。

「いいことおしえてあげようか?」「おとなりのいぬにあかちゃんがうまれるの。いっぴきわたしがもらうんんだ」

女の子の一人称で絵本は始まります。出だしから、ほとんどの子どもがうらやましそうに、そして実際に犬を飼っている子どもはちょっと誇らしげに聞き入ります。おなかの大きなダックスフントのおかあさんの出産の準備から出産、そして犬の赤ちゃんがうまれてから2か月までが、女の子の視点で語られます。

今の子どもたちは自宅で犬の出産を目にすることはほとんどありません。多くの子どもたちが子犬に初めて出会うのは、この絵本の最後のページ、約2か月が経過してからでしょう。ですから、うまれたばかりのべとべとの赤ちゃん、ふにゃふにゃした赤ちゃん、目も耳もあいていない犬の赤ちゃんの様子にちょっと緊張して見入ります。1か月たって赤ちゃんがおすわりしたり歩いたりできるようになると、聞き手の子どもたちの緊張も少しずつほぐれてきます。そして、子犬と仲良しになった女の子に自分を重ねて顔がほころびます。

この絵本が子どもたちの心をとらえるのは、女の子に一人称で語らせたことに加え、写真が白黒であることもおおきな要因でしょう。犬の赤ちゃんが羊膜に包まれて出てくるところや、おかあさん犬が羊膜を噛み切る場面などは、カラー写真では、実体験のない子どもたちにはおそらく生々しすぎると思われます。うまく配慮された構成といえます。

科学絵本というと、とかく知識を教える本と思われがちですが、今の科学絵本は物語絵本のように子どもたちを絵本の世界へ招き入れ、わくわくさせてくれるものがたくさんあります。時には大人にも新鮮な発見をもたらしてくれます。親子で科学絵本を楽しんでみませんか。

紹介した絵本

こいぬがうまれるよ

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