子育て耳より情報

半年に1回!「歯科健診」で子どもの歯を守ろう

2018年6月4日

歯科健診の様子

初めての子育てでは「歯みがきを嫌がる」「仕上げ磨きがちゃんとできているかわからない」など悩みはつきもの。でも、忙しさに流されてつい後回しになってはいませんか?
乳幼児の歯の状態は、月齢や個々の成長によって個人差が大きいものです。初期の虫歯や口内トラブルはもちろん、歯の成長に合わせたケアは専門家でないとわからないことがたくさんあります。そこに必要なアドバイスをもらえるのが乳幼児の「歯科健診」です。健診のタイミングや、健診を受けることがどう役に立つかを取材しました。

4歳前に4回! 浜松市の乳幼児歯科健診スケジュール

浜松市では、1歳6か月の集団健診から3歳代に公費で受けられる歯科健診が4回あります。乳幼児期は予防接種や一般の健診など受診の機会が多く、歯科健診の時期までも把握するのは大変かもしれませんね。健診を受けられるタイミングとスケジュールのコツを以下にまとめましたので、まずはこちらをチェックしてみましょう。

歯科健診スケジュール

歯科健診スケジュール

健診を受ける前の疑問点を「歯の健康センター」の歯科衛生士さんに伺いました。
事前の申し込みは必要?
申し込みは必要ありませんが、「全区の1歳6か月健診」と「浜北区・天竜区の3歳児」は、一般の健診と一緒に保健センターで指定日に集団健診となります。その他は、各区で開催している会場へ直接向かいましょう。
歯科健診は、自分の住まいがある区でしか受けられない?
基本はそれぞれが住む区での健診となりますが、タイミングが合わない場合は他の区での受診が可能です。全区の1歳6か月健診と浜北・天竜区の3歳児健診は一般の健診も伴うため、変更したい場合は必ず居住区の健康づくり課へ変更の連絡をしてください。

市の歯科健診で半年ごとの定期チェック

「半年に1回は歯科健診」とわかっていると、スケジュールが立てやすいですね。2歳以降の健診は毎月各区の保健センターなどで実施していますので、1歳6か月健診の頃に、その後の日程や場所をチェックしておくと安心です。市の健診を上手にスケジュールに組み込めば、定期的な専門家のチェックを自己負担なく受けることができます。
日程は「広報はままつ」やぴっぴサイト内で案内しています。健診のスケジュールなどで気になることがあれば、歯の健康センターや各区の健康づくり課にお問合せくださいね。

歯科健診はどうして重要?健診の様子をレポート!

問診表

健診は子どもがぐずってしまいそうでちょっと気が重い…というパパ・ママもいるかもしれません。ですが、日ごろ気になっている子どもの歯について相談できる貴重な機会です。「歯の健康センター」で行われた2歳後期の歯科健診の様子を取材しました。

子どもと一緒に、いざ健診!

持ち物は「母子手帳」と「仕上げみがき用の新品の歯ブラシ」。入口で母子手帳を預けたあと、問診票の記入をします。名前が呼ばれたら、まずは歯科医師の先生の診察です。手早く診察台の照明が準備され、子どもの口内をチェックしていきます。

歯科健診の様子

しっかりと口が開けられた子は、3分程度でササッと終了。雰囲気にびっくりして泣いてしまった子も、歯科衛生士さんが補助しながらみんなで声をかけ、最後はしっかりと診察ができていました。診察後にその結果や問診の内容から、今後の受診の必要性や注意すべき部分についてアドバイスをもらいます。

丁寧な相談対応で疑問も解決

同じ部屋で診察台を移動して、歯科衛生士さんより歯のみがき方や今後の健診についてのお話があります。希望があれば、そこでフッ化物塗布をしてもらえます。子どもの歯や口内は普段目に見えにくいだけに、これを機にしっかりと疑問を解決したいという様子のママたち。歯みがきの悩みから食事のことまで、幅広く質問が出ていました。歯科衛生士さんがひとつひとつ丁寧に、その子に必要なケアや生活習慣についてアドバイスをしてくれます。

待合室

取材日はゴールデンウィーク中だったこともあり、家族そろっての受診も多く、わが子の姿を心配そうに見守るパパの姿も見られました。診察台で泣いてしまった子の両親は、子どもが落ち着くようベンチに移動して説明を受けていました。子どもの様子によって臨機応変に対応してくれる歯科衛生士さんたちのおかげで、じっくりと話を聞くことができます。
フッ化物塗布が有料となる2歳後期と3歳は660円の費用がかかるため、希望した人は最後に支払いをして、健診は終了です。

虫歯だけじゃない!歯科健診でわかること

歯磨き指導

歯科健診は、虫歯の有無を確認するだけではありません。先生から「歯の裏に茶しぶがついているから、歯科医院に行ってきれいにしてもらいましょう」など、今後どんな処置を受ければ良いかお話があります。
歯科衛生士さんからも、口の健康に関するたくさんのアドバイスがありました。個々の成長や問診票を参考にした専門家からのお話は、健診だからこそわかる内容です。気がかりが解決し、生活習慣を見直すきっかけにもなります。

フッ化物塗布やフッ素入り歯みがき粉が定着してきたため虫歯は年々減少しているそうですが、この日健診を担当していた市の歯科医師・伊藤梓先生から「健康な歯を長続きさせるためには、3歳以降もかかりつけ医を見つけて健診を続けるのが大切」というお話がありました。

かかりつけ医を決めて歯科健診を続けよう

市の健診で歯科医院での処置を勧められたり、健診実施の時期を過ぎたりしたら、自分で歯科医院を探して受診することになります。歯科健診や予防処置を継続することで、虫歯の重症化を防ぐことができます。西区の「Mai子どもデンタルルーム」院長で浜松市歯科医師会の理事でもある本目恵子医院長に、かかりつけ医探しと継続のコツについて質問に答えていただきました。

「小児歯科」とうたっている歯科医を探したほうがいいでしょうか?
一番大切なのは、「相談しやすい」ということだと思います。お母さんなど家族が通っていて話しやすいところがあれば、そこで診てもらい相談するのがいいでしょう。もし対応できないようだったら、どこか信頼できるところを紹介してもらうといいですね。
フッ化物塗布はどこでも処置できますか? 何歳まで続けたらいいでしょうか?
ほとんどの歯科医院で対応できます。生えはじめの歯に高い効果があるので、小児は年に3~4回するのが理想です。保育園や幼稚園では洗口液(うがいでできる虫歯予防液)を取り入れているところも増えていますが、小学校にあがるとその機会がなくなってしまうことも。生えて間もない永久歯への効果を考え、生えそろってから2年ほど経過する15歳くらいまで続けることが望ましいです。
健診を無理なく続けられるポイントは何ですか?
目視だけではわかりにくい隣接面の虫歯を見つけるためのレントゲン処置などもありますので、よりゆっくりと時間が取れる時期(園や学校の長期休暇など)に受診することをお勧めします。早期に治療ができれば痛みも少ないので、子どもが嫌がる原因をつくらなくて済みますよ。

子どもが小さな頃から定期的に通い、虫歯治療で痛い思いをする前に処置できれば、歯医者への抵抗がなくなり通院もしやすくなりそうです。かかりつけ医があれば、「転んで歯が欠けてしまった」など急な受診をすることになった時も安心ですね。

~「食べる・話す・呼吸」に関わる口の健全な発達のために~

本目先生

歯科健診では、むし歯のチェックと合わせて歯のみがき方や正しい食べ方など子どもたちの口周りの発達について聞くこともできます。近年むし歯は減ってきていますが、口周りの発達面のほうが心配されています。離乳食や幼児食のステップの大切さ、呼吸、舌の動きなど、口腔機能の発達はとても重要です。相談が増えてきているかみ合わせには、乳幼児期の口呼吸も影響しています。むし歯のチェックだけではなく、お口の健全な発達(食べる・話す・呼吸)のためにも、かかりつけ医で半年に1回は健診をしましょう!

子どもの健診に加えて、妊婦歯科健診もとても大切です。赤ちゃんへのむし歯菌伝播を防ぐためにもぜひ受けて欲しいですね。

「Mai子どもデンタルルーム」 本目恵子 医院長

<参考情報>

はままつ歯と口の健康フェスタ

はままつ歯と口の健康フェスタ

毎年6月上旬に「はままつ歯と口の健康フェスタ」が市内5か所で実施されます。
歯科相談はもちろん、予約不要・無料で3歳児~未就学児のフッ化物塗布が受けられます。
子ども向けにクイズラリーや紙芝居などがあり、家族で楽しみながら歯の健康について学べるイベントです。

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取材を終えて

~子どもの歯科健診が家族の健康につながる~
子どもが小さな頃、歯の仕上げみがきに苦戦した経験があるパパ・ママは多いことでしょう。わが家も短時間でササッと済ませてしまい、「これだけに時間をかけていられないから仕方ないな」と半分諦めモードの中で、家庭でのケアには不安を感じていました。
今回、専門家からの多岐に渡るアドバイスを聞き、個々の成長に合わせて相談する機会の大切さを実感しました。月齢だけではなく歯の生え具合に合わせた内容は、直接相談することでしか得られません。そして予防や早期処置ができれば、時間や費用の負担も少なくて済みます。忙しい家庭こそ、歯科健診に行くことが必要だと感じました。
また、口周りの健康や発達が、子どもの成長に大きく影響していることもわかりました。健診時のアドバイスはもちろんですが、健診を控えているだけで「甘い物をあげ過ぎかな…」と自然と生活習慣に気を配ることができます。「家族の健康管理」と大がかりなことを考えなくても、「この日に健診」と予定を入れることが、日ごろの虫歯予防や家族の食生活を整えるきっかけとなるのではないでしょうか。

文/makiko
取材協力/Mai子どもデンタルルーム