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子どものメタボリック ~肥満児つくりたくない なりたくない~

10年ぶり改定の広辞苑に「メタボリックシンドローム」が取り上げられた。正に市民権を得、誰でも知っている言葉になった。
「生活習慣病」は、以前は加齢によって発症する疾患のことで「成人病」(糖尿病・高脂血症・高血圧・高尿酸血症などのこと)と呼んでいた。

今年95歳、日本の名医、日野原重明先生は成人病は若い頃からの悪い生活習慣によって引き起こされるもので、生活習慣を見直し改めれば病気を予防し得る。自分の健康は自分自身で責任をもつ。このことを一般の人に理解してもらうために「生活習慣病」と名づけるべきだと長らくご提唱になっていたのだ。

“三つ子の魂百まで”の諺どおり、すでに小児期には生活習慣がスタートしている。メタボ専門の小児科医は、生後4ヶ月健診時にすでにその子が将来「生活習慣病」になるかどうかが分かってしまうとまで極言する。では「メタボ」ってどんなものかご存知ですか?「メタボ」とは内臓脂肪のたまりすぎが原因で先ほどの成人病(今の生活習慣病)の複数が重なりあって動脈硬化が進行する状態を言う。全くの無症状のため検査をしなければ分からないし、検査をしても生活の改善をしなければ突然心筋梗塞や脳梗塞に見舞われてしまうという恐ろしいものだ。

子どものメタボリック 有玉小学校校医の私は毎年5月の学校健診の時期になると憂鬱になる。去年の肥満児は相変わらずで3~5%の数も変わらないのだ。そこで夏休み前に母親にお知らせをした。「貴女のお子様は肥満です。このままでは大人になったら生活習慣病になります。今のうちに少しでも良くしてあげましょう。食生活と毎日の暮らし方過ごし方を親子で話し合ってください。」のメッセージと昨年度はNHKスペシャル「今わたしたちの食事は」のCDRを配布した。家庭の食卓がテーマで同じ食卓でありながら皆がばらばらのものを食べる「個食」一人で食べる「孤食」好きなものしか食べない「固食」など、子どもたちの食事がここまでひどくなっているのかと考えさせられる内容だ。だが夏休み後も期待に反して何の反応も得られなかった。

本年6月「食育基本法」が成立したのでメタボや隠れ肥満の対策として「食育」をテーマとして解決策を探りたいと活動を開始した。
私の属しているボランティアグループには医者のほか学校の先生・保育園の園長・栄養士などがいるので皆で一堂に会しわいわいがやがやと
「食育フォーラムin浜松2008」
~肥満児つくりたくない なりたくない~
を企画、来年3月開催予定で準備をしている。
指導は「小児生活習慣病予防対策事業」の一つ「小児の隠れ肥満の把握」の研究者でいらっしゃる近畿大、公衆衛生学准教授,甲田勝康先生にお願いする。この研究は発育期に強い骨と筋肉を作り余分な脂肪をためないことは大人になってからの骨そしょう症やメタボを予防するうえで大切だ。自分の身体の「体脂肪量」「骨量」「筋肉量」を知ること。何をどのように食べたらよいか?どの程度運動すればよいか?など食育指導の際の貴重な資料となる。

フォーラムに先がけて2月には有玉小5年生対象に甲田先生指導の下、体組成測定(筋肉量・骨量)を行う。その理解を得るためにご父兄に説明会をしたところ子どもだけでなく母親にも是非測定してほしいと要望がでた。
日本でただ1台のDXA法測定装置(アメリカ、ホロジック社QDR4500A)搭載バスが2月下旬に約1週間有玉小に来る。子どもたちの隠れ肥満を探るのだ。詳しくは又の機会に譲りたい。

文/ 岡本小児科医院 院長
有玉小学校校医 岡本敏子先生

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