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巡り合わせから学んだこと 助産師たちのつぶやき

助産師たちのつぶやき

3月、今年度も残り少しですね。暖かな日々が増え、春の訪れに心を躍らせる季節となりましたね。これから私たちが迎えようとしている新年度といえば、別れと新たな出会いがありますね。

助産師としての今年度を振り返ってみると、自分の中で素敵な巡り合わせがあったことを思い返します。今回は、そのことについてお話ししていきたと思います。

私が助産師になって初めてお産の担当につかせて頂いた産婦さんがいます。助産師になって1例目の分娩介助で、とても印象に残っていました。昨年、妊婦健診での外来を担当した際、偶然その時の産婦さんが2人目を妊娠中とのことで健診に来られており、再会を果たしました。「あの時担当だった方ですね。」とお互いに懐かしい思いになりました。

妊婦健診の際に再会したのを最後に、次に対応させてもらったのは陣痛の電話連絡を取った時でした。「まだ陣痛が弱いような気もするけれど、念のために連絡してみました。」と言い、まだ本格的な陣痛が始まったのか分からず悩んでいた様子。1人目の時のお産も踏まえ、「一度来て診察してみましょう。」と伝え、来院していただきました。

病院に来てからというもの、順調にお産は進み、1人目の分娩から2年の時が経って、タイミングが重なり、2人目の赤ちゃんを取り上げさせてもらったのです。お産中の担当の医師もまた1人目と同じ医師で、和気あいあいとした雰囲気の中でのお産でした。

1人目・2人目と続けて担当させて頂き、出産の後は、それぞれのお産の思い出を改めて振り返ってお話ができました。1人目の時、新人で頼りなかったかもしれません。しかし、年月が経って再び同じ産婦さんの分娩を担当し、「一度取りあげてもらっているので、さすってほしいときも遠慮せずお願いできました。」や「松本さんだったから、どうしたらいいか迷っていたことを伝えられました。」と率直な迷いを打ち明けてくれたこと、安心して任せていただけたことに力になれて嬉しい気持ちと、自分自身の成長も感じられ、素敵な巡り合わせに感謝の気持ちでいっぱいです。

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長々と自分の思い出話をさせて頂いたのですが、この方の2人目のお産で印象的だったことがもう1つ、それは、自分なりの陣痛との向き合い方を見つけ、お産を満喫できたと言い切っていたところです。

陣痛中、この産婦さんはずっと歌を歌うことに集中し、痛みから気を紛らわせていました。しっかり、はっきりとした声で歌っていらっしゃったのが印象的です。歌を歌うことは、息を吐くことでもあります。そのため、歌うことでその方は歌を歌うことに集中ながら、自然に息を吐き、腹式呼吸が促されることで、身体の力が抜け自分をリラックスさせることができていたのですね。

もちろん、痛みが強くなるにつれて歌う余裕などなくなってきました。痛い時に歌う余裕なんてあるわけない!と思う方もいると思います。あくまで、歌を歌うことは陣痛中の過ごし方のひとつで、人それぞれです。人の身体は、痛いと自然と身体に力が入ってしまうものです。しかし、身体に力が入ってしまうとどうしても痛みはより強く感じます。できるだけ、全身の力を抜くよう助産師は呼吸法を伝えていきます。それ以外にも、歌うためではなくオルゴール等の癒しの音楽や好きな音楽を流す方もいますし、どの姿勢で過ごすのが楽か、痛みで心が折れそうな時の寄り添い方、私たち助産師は産婦さんとともに考えていきます。

これから出産を迎えようとしている妊婦さん、自分がどんな出産にしたいか、陣痛中の過ごし方など、ぜひゆっくりと考えてみてくださいね。

文/浜松医療センター 松本亜季

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