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映画を見て感じた大切なこと 助産師たちのつぶやき

助産師たちのつぶやき

だんだんと暖かい日が続くようになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。特に女性にとって冷えは大敵!まだまだ身体を温めてくださいね。

ところで、みなさん映画は好きですか?私は子供のころから映画やドラマを見ることが好きで、今では趣味の一つになっています。
先日、東京に行く機会があり、話題になっていた「助産師たちの夜が明ける」という映画を見ました。今までコウノドリや透明なゆりかごなど、産科を題材にしたドラマは見たことがありましたが、助産師の視点で全て裏方側に題材が向いているものを見たのは初めてで、まさにドキュメンタリーを見ているかのような映画でした。

映画はフランスの産科病棟が舞台で、通常の出産の場面はもちろん、生死を左右するような緊急性のある場面や、助からなかった命に居合わせる場面、未成年の出産、フランスならではの移民の問題まで、多岐に渡る題材が取り上げられていました。私自身、途中で赤ちゃんの心音が急激に下がったお産に携わったばかりだったため(赤ちゃんは無事に産まれてきてくれました)、主人公が助産師として赤ちゃんを取り上げることに怖くなってしまう場面は、とても感情移入をしてしまいました。また、限られたスタッフと時間の中で、いかに患者さんに寄り添いながらも命を守っていくか、とても難しいなあと、大真面目な感想を抱いた映画でした。

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海外の助産師事情にはあまり詳しくないのですが、その映画で描かれていたフランスの産科(日本でもそういった病院はあるとは思いますが)は、妊婦の病棟・分娩の病棟・出産後の病棟と分かれていました。
赤ちゃんとお母さんが好きな私にとっては、もちろん出産に毎日携われることは喜ばしいことではありますが、お産を取らせてもらった産婦さんや赤ちゃんのその後をみることができないのは少し寂しく思ってしまう環境だなと思いました。だからこそ、私が今いる、妊娠中から出産・産後・新生児まで幅広く携われている環境はとてもありがたいのだなとも思いました。

映画は日々の激務から、最後には助産師たちがストライキを起こすという内容で締めくくられていました。
どこの国においても命に向き合うことは、働くものにとっても、厳しいことが多いのだと改めて感じました。その反面、助産師として働けているのは、職場の先輩や同僚の支えはもちろん、一番は無事に出産された産婦さんそのご家族が赤ちゃんと初めてあった時の愛おしくて幸せな瞬間に立ち会えること、そして笑顔で赤ちゃんと退院されていく姿を見ることが、私たち自身にとっても、嬉しく幸せに感じるからだと思いました。

映画で取り上げられていたように、出産に携わるときには、母子ともの命を守れるか、怖い気持ちも多くあります。しかし、生まれてきた赤ちゃんと産婦さん・ご家族の笑顔に支えられることも多いです。だからこそ、妊娠から出産・産後について不安や悩みある方を少しでも減らしたい、サポートしたいと、助産師みんな思っています。些細なことでも大丈夫です。妊婦健診や入院中・産後も、いつでも声をかけてくださいね。
私自身も安心して妊娠・出産・子育てまでを行えるお母さんとそのご家族が一人でも増えるよう助産師として頑張りたいと思います。
 

文/浜松医療センター周産期センター 助産師 松元雅美

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