子育て耳より情報

おいしい!楽しい!浜松の小学校給食

2017年7月7日

おいしい!楽しい!浜松の小学校給食

小学生が毎日とっても楽しみにしている給食の時間。最近の給食はメニューも豊富で、わくわくするものがたくさんあるようです。
子どもたちが心身ともに大きく成長するため、食への興味を誘う工夫はどんなところにあるのでしょうか。気になる最近の小学校給食事情を取材しました。

地元食材を“子どもがよろこぶ”メニューで取り入れる

給食は地域によって特色があり、浜松でも地元ならではの食材が「ふるさと給食」として積極的に取り入れられています。馴染みのある食材が給食ならではのメニューとして出てくることは新鮮なようで、子どもたちにも人気の献立です。転入者からは驚きの声もある、さまざまなメニューをご紹介します。

高級食材「うなぎ」の給食

給食にも高級食材「うなぎ」が登場!

浜松といえば、やっぱりうなぎ! 状況によって提供できない年もありましたが、土用の丑の日前後には、浜松市の多くの学校でうなぎの献立があります。白焼きを仕入れ焼物器でふっくら焼き上げてたれをかけた蒲焼や、ひつまぶし風など、年に一度のお楽しみメニューです。

家康君カレー

浜松のおいしいがぎゅっとつまっているのじゃ!「家康くんカレー」

ご当地キャラクターでおなじみの家康くんですが、給食の献立にも登場しているんです!三方原のじゃがいもを使ったその名も“家康くんカレー”。隠し味には、徳川家康も好んで食べたと言われている浜納豆(大豆を麹菌で発酵させた天然調味料)が入っています。

緑茶×牛乳

緑茶×牛乳、どんな味?!

パパママ世代の給食にあったソフトめんやミルメーク(牛乳用調味料)は、現在も子どもたちに人気のメニューです。麺類はソフト麺だけでなく、ラーメンやうどんも登場。ミルメークは種類が増え、昨年には静岡県内で「静岡茶味」が一部の学校で導入されました。形状もパックの牛乳に合わせて進化しています。

このほかにも、みかんを使ったデザートや浜松産のじゃがいもを使ったバター煮など、地域の食材がさまざまな調理法で取り入れられています。食べる楽しみと共に、子どもたちが地元食材のおいしさを知るきっかけとなっています。

イベントで盛り上げる!「大平台小学校」の誕生日給食会      

浜松市西区にある全校児童約615名の大平台小学校。この学校では毎月給食の時間を利用して、ランチルームでお誕生会が開かれています。今回は、6月の誕生日給食会におじゃましました。

大平台小学校

子どもたち自身が企画するお祝いイベント

給食委員会の6年生が主体となって毎月行われる誕生日給食会。この会は、準備から会の進行、片付けまですべて子どもたちによって行われています。
6月生まれの子どもたち56名がランチルームへ集まると、給食委員会の司会のもとスタートです。音楽委員会がハンドベルでお祝いの曲を演奏し、会を盛り上げます。お祝いされる子どもたちもとても嬉しそうです。

お誕生日会用の特別なデザート

給食タイムには誕生会用の特別なデザートが!

その後はみんな揃って「いただきまーす!」。笑顔とおしゃべりに囲まれて、給食タイムが始まりました。
みんなのお楽しみは「誕生会限定!ココアカップケーキ」です。入学したばかりの1年生から大きく成長した6年生まで、ココアカップケーキは誕生月の特別な味。人気メニューのひとつとなっています。

子どもたちにインタビュー!

日々、食を通して子どもたちに接している栄養教諭は、学校のお母さん的存在でもあります。ご自身も小さなお子さんのママである栄養教諭の金原千穂先生にお話を伺いました。

~多彩な食材やメニューから、食べる楽しみを知ってほしい~

栄養教諭の金原千穂先生

―― 子どもたちが給食を楽しめるように工夫していることはありますか?
子どもたちに授業や昼休みを利用して、とうもろこしの皮むきやさやえんどうのさやとりなどのお手伝いをお願いすることがあります。子どもたちはお手伝いが大好きで、自分たちで作業した食材は特に喜んで食べているようです。
また、その日の献立や食材について書いた「もぐもぐだより」を各クラスに毎日配布しています。

―― 給食を通して、子どもたちへ伝えたいことは?
将来、子どもたちが健康のために必要である栄養素を進んで選ぶことができるよう、苦手意識の強い根菜類、魚、豆なども積極的に取り入れています。楽しいメニューの中に古くから日本に伝わる和食の文化も交え、給食を通して子どもたちに食べる楽しみ、食の喜びを伝えていきたいと思っています。

9,500人分を担う「浜北学校給食センター」の工夫

子どもたちの声を取り入れた特別メニューと学校訪問

市川センター長と松本先生

現在、浜松市には144の小中学校があります。給食の調理については、学校内で調理をする自校方式、地域の給食センターで調理し配送するセンター方式など、各校で異なります。
その中で、浜北区内11小学校5中学校、約9500人分の給食を一手に担うのが「浜北学校給食センター」です。市川センター長と栄養教諭の松本先生に、センターでの給食作りや献立についてお話を伺いました。

リクエスト給食

給食の献立づくりをするのは、栄養士の先生方です。ふるさとの食材を取り入れたり、行事に合わせた献立を考えたりするほか、特別メニューとして「リクエスト給食」(各学校の給食委員会や6年生の家庭科の授業と連動してアンケートをとり、人気のあるメニューを集めたもの)を実施しています。秋はサンマや里芋を使ったものが候補になるなど、日頃の給食から季節や食べ物の旬を感じ取っていることがわかります(写真の給食は持参米飯です)。

献立の栄養

栄養面についても子どもたちにもわかりやすく伝えるため、小学3年生と5年生を対象に栄養士の先生方が給食の時間に学校訪問しています。小学3年生には紙芝居を使って、小学5年生には栄養素の話を交えつつ、食事の大切さについて話しています。楽しみながら子どもたちが食べることや栄養の大切さを知ることができるよう、浜北学校給食センターでは、あらゆる角度から工夫がなされています。

浜松市の給食テーマ ~給食で人づくり 給食から学ぼうふるさと浜松~

地元食材を使ったメニューもそのひとつですが、浜松市では「第2次浜松市食育推進計画」を元に献立が作成されています。栄養面での充実はもちろん、食から様々な文化が伝わるようテーマが設けられています。

 給食あれこれ

  • ふるさと給食
    浜松市や静岡県の特産物を使ったメニューや、地域に根づいた郷土料理を取り入れています。
  • 郷土食
    気候や風土、文化の中で育まれた日本各地の郷土料理を参考にしたメニューです。
  • 行事食
    行事にまつわる献立を取り入れ、日本の行事に込められた意味を知り、季節感を味わうものです。
  • カミカミメニュー
    まめや海藻など、歯ごたえのある食材を献立に取りいれ噛む習慣を養うよう考えられています。

その他、日本食にはない調理法や味付けで、世界の料理を楽しむ多文化メニューを実施している学校もあります。

実際の献立作りは栄養士の先生による地区別に分かれた献立作成委員会にて行います。研修会開催や先生方同士の情報交換により、ひろく市内全体でバランスのいい給食が届けられています。
給食の工夫は、単に食べやすさやメニューの目新しさだけではありません。子どもたちが将来地元を離れたときも、季節やふるさとを感じながら体作りや健康を意識し、食を通して自立するための第一歩となるよう考えられています。

給食についての理解を深めるため、年に1度「学校給食まつり」が開催されています。地元食材を使った学校給食の試食もある楽しいイベントです。

取材を終えて

積み重ねてきた給食の歴史の上に新たなメニューが加わり、現在の給食は大変魅力のあるものになっています。学校や給食センター、そして献立づくりに様々な工夫があり、子どもたちが給食を楽しみにするのも納得です。食から文化や地域の魅力を伝えることは、将来的にも大きな役割を果たすと感じました。
今回の取材を通して、学校給食は栄養士の先生方や調理員の方々の、子どもたちの将来を思う深い愛情に支えられていることを知りました。子を持つひとりの母として、毎日おいしい給食を食べられることは決して当たり前ではないこと、保護者が感謝の気持ちを持つことで子どもたちにも給食に対する感謝の気持ちが芽生えることを忘れてはならないと感じました。

文/時田祐子