梅干し弁当のおはなし

気になりだすと、気になって仕方ない事ってありませんか？いつもそこばかりに目が行ってしまう。
まるで、お弁当箱のご飯の真ん中に鎮座する赤い梅干しみたい。子育ての中でも、なぜかそこばかり注目してしまって、見ていてイライラしたり、叱ってしまったり、うんざりしてしまうことありませんか？

でもよく見てください。小さな梅干しのまわりには白くふっくりしたご飯がいっぱい。気になるところばかり注目してしまうと、他の良いところに気付けなくなってしまうという落とし穴があります。お子さんの姿を思い浮かべてみましょう。「この子は〇〇な子」とか「いつも○○なんだから」と決めつけていることありませんか。でもそれが全てでしょうか。「梅干し弁当」のように、白いご飯の部分には、お子さんの素敵なところ、良いところ、うれしく思えるところ、自慢できるところ、素晴らしい能力、いっぱいあることに気付いて頂けるのではないでしょうか。

気になる事に注目しすぎてお小言が多くなりだしたら、梅干し弁当の話を思い出してください。良いところをほめてあげたり、頑張って取り組んでいる姿を認めてあげたりするうちに「梅干し」はあまり気にならなくなるかもしれません。それどころかいつの間にか、気になっていたことが、消えているかもしれません。認められ、褒められることが多くなればなるほど、不適切な行動は減っていくから不思議です。

文／みどりのもり都田 園長 下原直美先生