皆さまこんにちは。健康増進課予防接種担当の市川です。
今回のブログではHPV（ヒトパピローマウイルス感染症）ワクチンのキャッチアップ接種についてお話しをします。

子宮頸がんとは

子宮頸がんは若い世代の女性が罹患するがんの中で多くを占めるがんです。20歳代後半から増え始め、日本では毎年約2,900人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。がんの治療により妊娠できなくなってしまう人も年間に約1,000人います。子宮頸がんの主な原因であるHPVはありふれたウイルスで、性的接触があれば誰でも感染する可能性があります。

HPVワクチンについて

1.HPVワクチンの効果

HPVの中には子宮頸がんを起こしやすいウイルスの型があります。HPVワクチンは3種類ありますが、この起こしやすい型のうち一部の感染を防ぐことができます。
2価ワクチン（サーバリックス®）・4価ワクチン（ガーダシル®）は、子宮頸がんを起こしやすい型であるHPV16型と18型の感染を防ぎ、このことにより子宮頸がんの50～70%を防ぎます。令和5年4月から公費で接種できるようになった9価ワクチン（シルガード®9）は、HPV16型と18型に加え、31型・33型・45型・52型・58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80～90%を防ぎます。

なお、接種後は、注射した部位が腫れる等の副反応がみられることがあります。感染予防の効果と副反応のリスクの双方を理解したうえで接種をご検討ください。また、気になる症状や体調の変化が現れた場合は、すぐに医師にご相談ください。

2.キャッチアップ接種とは？

定期接種の対象期間（小学校6年生から高校1年生相当）に接種が完了できなかった女性へ、令和4年4月～令和7年3月までの3年間、改めて公費（無料）で接種できる機会がキャッチアップ接種として設けられていました。しかし、令和6年夏以降の大幅な需要増により、HPVワクチンの接種を希望しても受けられなかった方がいらっしゃいます。そのため接種期間を延長し、以下に当てはまる方は、令和8年3月までに全3回の接種を公費（無料）で完了できるようになりました。

• 平成9年4月2日～平成21年4月1日生まれの女性
• 令和4年4月から令和7年3月までにHPVワクチンを1回以上接種した方
• HPVワクチンの3回接種が完了していない女性

16歳以上の年齢で接種しても、ある程度の有効性があるとされ、安全性への懸念は示されていません。9価ワクチン（シルガード®9）を自費で接種した場合、3回で約10万円かかるといわれていますので、対象者の方は、この機会にご検討ください。

• HPVワクチンのキャッチアップ接種

3.接種スケジュールについて

どのワクチンも3回接種が必要で、標準的な間隔で接種した場合には完了まで約6か月かかります。接種が完了していない方は早めにスケジュールを立てていきましょう！

4.どこで接種できるの？

婦人科や内科、小児科（市内の委託医療機関）で接種することができます。（※浜松市外で接種を希望する方は、接種前にお近くの健康づくりセンターへ申請が必要です）

• 予防接種 委託医療機関（HPV）

浜松市では予防接種を受ける際、対象の方に接種券や予診票の送付をしていませんので、接種を希望される医療機関に直接ご予約のうえ、親子（母子）健康手帳と本人確認書類をお持ちください。

文/健康増進課 予防接種担当 市川