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母乳を与えるということ 助産師たちのつぶやき

助産師たちのつぶやき

桜の花びらが舞っていたり、新入社員や新入学生の姿を見かけたりすると、春の訪れを改めて感じますね。日中は暖かくなりましたが、まだ朝晩は空気が冷たく感じますので、体調管理には充分気を付けてください。

今回は、母乳についてお話ししたいと思います。母乳には、たくさんの免疫物質や栄養素が含まれていて、赤ちゃんにとって有益なものということは皆さんご存知のことと思います。お母さんにとっても、お産後の体重管理や子宮などの回復にも良い効果を与えます。そのようにたくさんのメリットもあり、多くの妊婦さんは「母乳で育てたい」と思っていることと思います。では、母乳を与えるということは「完全母乳」のことを言うのでしょうか?

赤ちゃんが生まれると、お母さんの体の中ではホルモンのバランスが変わり、子育てに適した体へ変化します。その一つが母乳を分泌することですが、その分泌の仕方はゆっくりで、また人それぞれ分泌の量やスピードも様々です。まず、お産当日や翌日から赤ちゃんが満腹になるほど母乳が出る方はほとんどいません。お産後2日目から3日目にかけて徐々に分泌してくるものです。では、母乳だけで赤ちゃんが満腹にならないということは?お腹が空けば赤ちゃんは泣きますよね。泣いてばかりで、お母さんも眠れない…休めない…など、大変な思いをすることもあります。逆に、たくさんおっぱいを吸ってもらいたいのに、あれ?寝てばかり…起こしても起きない…。飲む量は足りている?脱水や黄疸は大丈夫かな?赤ちゃんは寝てほしい時に寝てくれなかったり、起きてほしい時に起きてくれなかったり、色々な顔を見せてくれるのです。そのような場合、ミルクをあげてみることをおすすめしています。入院中であれば、1時間か2時間でも助産師に頼って預けてみてもいいのです。少し体を休めるだけで、心も落ち着きますよ。

私達助産師は、母乳のメリットも充分理解しているため、できるだけ母乳をあげてほしいとは思っています。でも、第一には育児を楽しく感じてほしい、お母さんの体も心も健康であってほしいと願っています。母乳についてたくさんの情報を得て勉強してくれる妊婦さんが多くいらっしゃるので、母乳栄養への希望を持っている方も多いです。母乳にはお母さんにも赤ちゃんにもたくさんのメリットがありますが、お母さんも赤ちゃんも眠る時間が少なくなって疲れてしまったり、赤ちゃんが脱水や黄疸になってしまったりしたら、メリットがうまく働かなくなってしまうこともあります。お産後数日のうちから、焦って心身を追いつめてしまう必要はないのです。

母乳の量が足りない場合はミルクで補う、直接吸えない時には搾乳をして飲ませてあげる、これでも充分母乳を与えることができますよ。妊娠中から、授乳についての心配事があれば助産師に相談して下さい。お産後も、上手くいかず不安になったり、疲れてしまったりした時は助産師に相談して下さい。皆さんが、楽しく自分らしくできる授乳方法が見つけられるようにサポートします。

文/浜松医療センター 周産期センター 副看護長 竜崎千明

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