子連れでおでかけ
子育てのヒント
特集記事
子育てのヒントを検索
赤ちゃんとペット 助産師たちのつぶやき
暑さも和らぎ1年の中でも過ごしやすい秋がやってきました。お月見に紅葉、旬の食材が豊富な秋は生活に彩りを感じますね。愛犬家の私は、暑さも和らいできたため愛犬と娘とのお出かけを計画しております。妊婦さんもママも赤ちゃんと秋を楽しんでくださいね!
しばしば妊産婦さんから「ペットと赤ちゃん、気を付けることはありますか?」と尋ねられることがあります。
退院後、赤ちゃんとペットが過ごすことを考えられる妊産婦さんも多いと思うので、今回は赤ちゃんとペットについて、お話したいと思います。
ペットと赤ちゃんのことを尋ねられるときに、多数の方が気にされることはアレルギーです。私も新生児期の娘の顔に発赤が出て「え?アレルギー?娘と犬が一緒に過ごせないかも。」と焦った経験があります。
ペットのアレルギーはペットの毛についたダニやふけ、垢、分泌物(唾液や尿)によってひきおこされるといわれています。アレルギーを、起こさないためにその原因をできるだけ取り除きましょう。ペットをシャンプーやトリミング、ブラッシングで清潔に保ち、おうちの中に抜け落ちた毛やふけを、掃除や洗濯でこまめに除去することが大切です。
また、ペットが赤ちゃんをなめたりしないように、ペットと赤ちゃんの適度な距離を保てるよう環境を整えたり、ご両親の見守り下で赤ちゃんとペットが触れ合うように注意してください。
万が一、アレルギー症状(咳、鼻水、くしゃみ、息苦しい、目がはれる、発赤など個人差があります。)がみられる場合は早めに小児科受診し医師の指示に従ってください。
適切な対策を行うことで、発症してからもペットと暮らしている方もいるのでご安心ください。
アレルギーの他に私が心配するのは、ペットから人にうつる感染症です。妊娠中とくに注意していただきたいのは、トキソプラズマ症です。妊婦健診の血液検査の項目に含まれているのでご存じの方もいると思います。流産や死産、脳炎や神経系疾患など多彩な症状を引き起こす恐れがあるといわれています。猫の便が感染源となることが多いため、便に触れないように注意し、ペットのトイレを掃除したら手洗いをするなど気をつけてください。
また、ペットはたくさんの細菌やウイルスを持っておりペット特有の感染症も多いです。ペットの予防接種は必ず受けるようにしてください。
アレルギーや感染症など、少し怖いことをかきましたが、赤ちゃんとペットは一緒にいるメリットがたくさんあります。生き物や命を大切にする気持ちを育み、愛情や思いやりなどの感情を、ペットを通して学んでくれるように思います。
今回お伝えしたことに注意し、赤ちゃんとペットとのかけがいのない幸せな時間を、ご家族で過ごしてください。
文/浜松医療センター周産期センター 助産師 池谷美保