添い寝をするとよく眠ります。大人のベッドで赤ちゃんと一緒に寝ても大丈夫ですか?
添い寝で寝かしつける時、気をつけることは?
赤ちゃんが窒息するなどの危険があります
添い寝をすることで、スキンシップも多くでき、赤ちゃんも安心して眠れるのですね。ただし、赤ちゃんが寝る環境については、注意が必要です。
平成28年10月に、消費者庁から「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!」という注意喚起がありました。平成22年から平成26年までの5年間で、0歳児の就寝時の事故が160件あり、0歳児の不慮の事故死全体の32%もの割合を占めていました。
就寝時の窒息死事故の主な状況
- 顔がマットレスなどに埋まる。(33件)
- 掛け布団等の寝具が顔を覆う、首に巻き付く。(17件)
- ベッドと壁の隙間などに挟まれる。(13件)
- ベッドからの転落に起因する窒息。(7件)
- 家族の身体の一部で圧迫される。(5件)
大人用のマットレスは、赤ちゃんが沈み込んでしまい、うつぶせで寝ていると頭を持ち上げることができない危険があるほか、大人用の掛け布団等も赤ちゃんの力では重くて払いのけることができず、顔を覆ってしまうことで、窒息の危険があります。特に、寒い冬の時期は、厚い掛け布団や、ふかふかの敷布団やマットレスが多くなるので、注意が必要です。
寝る環境からリスクを除き、添い寝をしたまま寝込まないで
赤ちゃんは、日々成長し、できることがどんどん増えてきます。0歳児に多い就寝時の事故を減らすためには、首すわり、寝返り、お座りといった赤ちゃんの発達状態に応じた寝具の利用や、環境を整えることが大切です。
具体的な注意ポイント
- 就寝時の事故のリスクを減らすため、できるだけ大人用ベッドではなく、ベビーベッドに寝かせ、転落しないように柵は常に上げておきましょう。
- 掛け布団は、赤ちゃんが払いのけられる軽いものを使用し、顔に被らないようにしましょう。また、敷布団やマットレス・枕は、赤ちゃん用の固めの物を使用しましょう。
ふかふかした柔らかい敷布団やマットレス、枕は、うつぶせになった場合に顔が埋まってしまい、鼻や口が塞がれて窒息するリスクがあります。 - 寝ている赤ちゃんの顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いてしまう物は置かないようにしましょう。
赤ちゃんが寝がえりをしたり、ずり上がったりすることで枕やタオル、衣服、よだれかけ、ぬいぐるみなどが口や鼻を覆ったり、紐などが首に巻き付いたりするリスクがあります。 - 赤ちゃんの頭や顔が挟まってしまう隙間をなくしましょう。
寝返りなどで動ける赤ちゃんの場合、ベビーベッドの柵とマットレス、ベッドと壁の隙間などに頭や顔が挟まってしまい、窒息や思わぬ怪我をしてしまうことがあります。 - 1歳になるまでは、なるべくあお向けで寝かせましょう。
うつぶせ寝は窒息のリスクがあります。また、あお向けで寝かせることにより、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症する確率が低くなることがわかっています。 - 添い寝をしたまま寝込んでしまい、保護者の身体で赤ちゃんを圧迫してしまわないよう注意しましょう。
大人用ベッドで添い寝をして寝かしつけをする場合は、赤ちゃんが寝入ったら、ベビーベッドに移動させましょう。
添い寝をしている時に保護者の髪が子どもの首に巻きついて傷がついたり窒息したりする事故も起きています。髪の長い保護者が添い寝する時は髪を束ねましょう。
赤ちゃんがすやすやと寝てくれているのを、添い寝で見ている時は幸福感でいっぱいですね。でも、寝不足気味だと、つい一緒に寝てしまうこともあるかもしれません。乳幼児の不慮の事故の原因には傾向があるので、それを知っておくことが事故防止につながります。