よく転んでけがをします。落ち着きがないだけなのか、病気なのか心配です。何か気をつけることはありますか。
よく転んでけがをする
子どもの様子をよく観察して
歩けるようになった子どもがいつまでも転ぶことが多いと心配になりますね。幼児期までの子どもは、頭と身体のバランスが悪く転びやすい時期ですが、3歳以上になると、運動神経が発達し、頭と身体の比率も変化するため、転ぶ原因が変わってきます。疾患が原因で転びやすい場合もあるので注意が必要です。
転ぶ原因のチェックポイント
3歳を過ぎても、何もない所などでよく転ぶ場合は、けがに注意することは勿論ですが、原因を検討することも必要です。脳・筋肉・神経・骨の疾患が隠れている可能性もあります。
下記の点をチェックしてみましょう。
- 靴のサイズ
靴の具合を確認しましょう。靴のサイズが合っていないことが、転ぶ原因となることもあります。 - 軽度の弱視
気づきにくいことがあります。物にぶつかって転ぶことが多い場合には、見えにくそうでないか観察してみてください。疑わしいなら眼科で検査してもらうことも考えましょう。 - 注意が逸れやすい・衝動的に動きやすい発達特性をもつ
突発的に動いてよく転ぶことがあります。続くときは小児科や保健師に相談してみましょう。 - 筋肉の張り
筋肉の張りが弱いと、身体を支えることができずに、よく転ぶ場合もあります。普通に成長していたお子さんが、「よく転ぶようになった」「今までより力が弱い」「腕や足が細くなった」などの変化を感じることがあれば、小児科あるいは小児神経科で相談してみましょう。 - 歩き方(歩容)がぎこちない
骨の問題の評価が必要かもしれません。小児科あるいは整形外科での相談を考えましょう。
この頃の子どもについて
この時期は、友だちへの関心が高まることで、目線が友だちや遊びたい方向に向き、周囲や足元に注目ができずに転んでしまうこともあります。
歩き方をよく観察して
子どもは成長の過程で、転びながらバランスの取り方を覚え、上手に歩いたり走ったりできるようになります。転ぶ原因はいろいろありますが、成長の過程とともに落ち着くことが多いです。坂道を歩いたり、地面のマークを意識しながら散歩したり遊んだりして、日常生活の中で足元に意識を向ける機会を増やしましょう。
それでも心配な場合は、子どもの歩き方をよく観察して、どんな時に転んでいるのかを見てみましょう。足の着き方、膝の上げ方などの足の動かし方はどうでしょうか? 靴のサイズが合っていない時も、転ぶ原因になります。ジャンプや片足立ちができ、階段を1段ずつ左右交互に足を出して昇れていますか?
この時期の子どもは、ジャンプや片足立ち、階段を登ることができるようになるので、どんな運動ができるのか観察しましょう。
子どもの様子を確認し、いつもと異なる様子が見られるなど、不安がある時は、すぐに医師に相談しましょう。
最近、転んでも反射的に手をつくことができずに、顔を地面にぶつける子どもの相談が増えています。日常生活の中で、いろいろな経験を積み重ねる必要がありますね。
心配な場合は、かかりつけの病院や保健師などの専門家に相談しましょう。